内容説明
いまでも、ひとりで山の小道に入ってゆくと何かに出会いそうな、そんな怪しい山岳地帯が北イタリアに存在する。それはドロミーティ・アルプス地域だ。周囲には朝夕、この世ならぬ色に染まる異形の岩山や深い森、神秘的な氷河や底知れぬ湖、急変する自然現象があって、住民の想像力を激しくゆさぶり、見えない物まで見せてしまい、得体の知れない恐ろしい魔物や化け物や、美しい妖精を生み出した。動物は人間の言葉を話し、人間が動物や花や木に変身し、また動物が人間に簡単に変身する。凄絶なまでに美しい自然に閉ざされて暮らしてきた人びとが生み出した、この世ならぬ物語のかずかず。
目次
白雲石の由来伝説
この世ならぬ者たち
女のもうひとつの面
サルヴァン(山や森の男)
小人
巨人
異界の悪女―魔女
魔女の女王
得体の知れぬ魔物たち
幽霊
花は語る
樹木も人なのか?そして石も
人はたちまち動物に変じ、その逆もまた真なり
異界の動物たち
伝説をいろどる鉱脈
アーサー王宮廷から飛翔してきた騎士たち
著者等紹介
増山暁子[マスヤマキョウコ]
東京都出身。聖心女子大学外国文学部卒業。イギリス(バーミンガム大学)、イタリア(ミラノ・カトリック大学、フィレンツェ国立大学、ペルージア外国人大学)に留学。「古譚百種」「ローマ七賢者物語」「ペンタメローネ」「トリスタン狂乱」「リオンブルーノ」など、民話およびアーサー王文学にかんする研究論文多数。2001年4月、日本文化振興会国際アカデミー賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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