コタン―違星北斗遺稿

コタン―違星北斗遺稿

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  • サイズ B6判/ページ数 210p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784883230761
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

「アイヌと云ふ新しくよい概念を内地の人に与へたく思ふ」と切なく歌った北斗は、貧乏と病苦の中を壮絶に闘い生きた。いまだアイヌに村する無知と差別を続けるシャモへ捧げる書。

フゴッペ
エカシ・シロシ
北斗帖
日 記
コタン創刊号
落穂帖その一
落穂帖その二
年譜
解題

1984.3.23朝日ジャーナル「二種の人類」本多勝一
たとえば違星北斗の遺稿集『コタン』(草風館)というような本を読むと、人類にはこの種の本に「感じる種族」と「感じぬ種族」の2種族があるのではないかという思いをまた新たにしてしまう。
1929(昭和4)年に27歳で死んだこのアイヌ歌人の随筆と短歌は、生まれながらにして差別され、言葉さえ奪われた民族の心が、それを「感じる種族」に対してはあたかも神の言葉であるかのように伝わって、人類のパーセンテージとしては大多数を占める「アイヌ的存在」への共感にシンクロナイズ(同調)せしめるだろう。
だが、もう一方の「感じぬ種族」に対しては、血へどを吐く思いでつづる歌も「馬の耳に念仏」「猫に小判」の類でしかない。そしてこの2種の人類は、いわゆる「教育」の“程度”とは何の関係もなく、大学教授や文筆業者の中にも「感じぬ種族」はたくさんいる。この2つの種族はもちろん先天的なものではないから、一人の人間が生涯のある時期に変わることもある。「感じる種族」も巧成り名とげると鈍磨する例が案外多いようだ。
日常的に加えられる民族差別と、それに耐えきれず自暴自棄に陥ってゆく同胞の姿に、深い悲しみ・怒り

内容説明

この声を聴け、不世出のアイヌ青年の悲痛な叫び。「アイヌと云ふ新しくよい概念を内地の人に与へたく思ふ」病に侵されながらアイヌ解放を歌に詠んで、彗星のごとく世を去ったアイヌ青年の憤怒と絶望の証言が蘇る。

目次

フゴッペ
エカシ・シロシ
北斗帖
日記
コタン創刊号
落穂帖

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kaizen@名古屋de朝活読書会

40
#違星北斗 #短歌 昼飯も食はずに夜も尚歩く売れない薬で旅する辛さ #返歌 朝飯も食べず昼夜書き続け売れない文で糧する辛さ2016/01/13

めがねまる

11
昭和4年に27歳で死んだアイヌの歌人、違星北斗の遺稿集。アイヌであることが恥ずべき事とされていた時代にあえて「俺はアイヌだ」と言って歌を詠む。コタンを巡って研究する。この当時でさえアイヌは滅びゆくものと言われていて、それに抗おうとしていた。同化政策についてはどう思っていたんだろう。単純に和人=アイヌの敵として対立できたら楽だったかもしれないけど、現状として共存している状況だと簡単に構図化できないよね。ともあれ、この人の短歌を読んでさえいれば新左翼は『アイヌ革命論』なんて馬鹿げたことは考えもしなかっただろう2023/02/11

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