目次
昼の世界―イスラム世界の形成
夜の世界―怪異と幻想(怪物の世界;英雄の世界;魔術の世界)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白義
13
イスラムの大まかな歴史──昼の物語をたどりながら、その歴史を裏で彩った怪魔と英雄豪傑の世界、豊穣な夜の世界を解説。キリスト教と同じ存在もアラブでは微妙にその活躍が違い、またヨーロッパと同じくイスラム的世界観の中に無明時代の異教の精霊たちが取り込まれ、渾然一体となった世界を作っている。コーランがジンを公に認めていて、ジン被害を調べる妖精学者までいて、しかもそのジンにも人間と同じくイスラム教徒がいるなんてなんて素晴らしい世界観なのか。こういう魔と隣り合わせの社会は憧れてしまう2013/01/12
めぐみこ
2
面白かった。アラビアンナイトな雰囲気のファンタジー好きには、なんとも懐かしく、かつわくわくする内容。出てきた英雄や偉人たちについて、もっと詳しく知りたくてたまらなくなった。2012/09/12
竜王五代の人
1
イスラム世界(創始以前のアラビアやペルシャ、イスラム教に取り入れられたユダヤ教やキリスト教の偉人たち含む)の魔物や英雄・詩人(古典世界の常で、詩人は神秘的な力を持つ)・占い師などを半ば物語として面白おかしく語る良本。2021/03/21
デコボコ
0
読書メーターやってなかったらこの本の存在を知ることはなかっただろうな。 イスラム世界における、魔物/英雄/魔術/学問などのお話。 第1夜「怪物の世界」がバーティミアス好きにはたまらず、第3夜「魔術の世界」も面白い。 妖精学者・ジンの専門家なんかは、コーランで認められているジンの存在や邪視についての記述を踏まえると、もしかして今も成立しているのだろうか。 歴史についても軽く触れられていて、この本で一番驚かされたのは、ムハンマドの時代において山賊は正々堂々たるスポーツとされ、彼も聖遷後の凱旋の為にメッカの隊2013/03/12
宵子
0
イスラム幻想世界とあるが、イスラムの歴史にも触れられていており、用語解説もあるので、入門書としてよい。またイスラムの読み物に登場する英雄についての説明もあるため、イスラム圏の文学に関心がある方にもお勧めできる。今、マギとか流行っているし。関係ないけど、TRPGのゲヘナって復刊しないかなぁ…(-_-;)