内容説明
活字からワープロまで。漢字廃止運動からデータベース開発まで。この100年、日本語〈近代化〉に注がれた全情熱の軌跡を追う。埋もれた資料を発掘、豊富なカラー図版で迫る、初の〈日本語大博物館〉。
目次
幕末活字顛末記―活字に憑かれた人々
活字との密約―“荘厳なる森”に魅せられた人々
起死回生の夢―昭和活字文化の七十年
ことばの海に漂う―諸橋轍次と大槻文彦
カナに生き、カナに死す―カナ文字運動の理想と現実
ローマ字国字論の目ざしたもの―田中館愛橘、田丸卓郎と日本のローマ字社
日本語改造法案―人工文字に賭けた人々
漢字廃止論VS.漢字万歳論―国語表記論争の過去と現在
縦のものを横にする―横に書いた日本語の歴史
営々と刻まれた一点一画―ガリ版文化の八十年
五万字を創った人―石井茂吉と写植の創世紀
毛筆から活字へ―邦文タイプライター開発夜話
日本語の工学的征服―ワープロ第一号機の誕生まで
一億人のデータベース―電話帳の過去・現在・未来
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
わ!
8
1993年に出版された本なのですが、とにかくすごい本だと思いました。よく調べたな…というのもさる事ながら、よく集めたな…と驚く本でもありました。タイトルに博物館と冠しているだけありまして、正に博物館を観ている様な読後感です。とにかく大量の図版が並べられていて、その隙間に説明書きが書かれている様な感じです。明治維新の時代と、敗戦の時代、日本はあの難しい日本語を覚えなければならない為に、肝心の学問が立たないのだと言う説から、日本語を全てローマ字にしてしまおうという運動が盛んになりました。この本に詳しいです。2025/07/28
doctor bessy
2
日本語が事務処理や情報処理としてどのうに扱われてきたかの近代史。あるいは、扱ってきた人たちの物語。 この本の観点から、普段気づけない日本語の特徴(漢字の多さや複雑さ、事務処理の煩雑さとか)が浮かび上がってくるのが面白い。思っている以上に複雑怪奇な言語を話したり書いたりしているんだな。2025/06/01
なかち
0
乱歩は活字を組むのを気持ちいいと言う。円本で文士が家を立てたりと裕福に。戦時中岩波文庫のマルクスが禁書。戦後ベストセラー一号は日米会話手帳。近視は漢字のせい。カナ文字運動。運動家の山下の墓はカナ。ローマ字国字論。乱歩はローマ字の世界が来るかもと言う。同音異義語の区別に人工語を作った石原。森有礼は国語を英語に、志賀直哉は仏語に。変革期に国語改良論。写植に人生をかける。日本タイピスト女学校。タイピストは花形職業。英文は文書作成が早い。日本語ワープロのブレイクスルーは優先順位変換。電話帳は聖書の次に売れてる。2010/10/11
TTK
0
しかし、紙不足は教科書一般にもおよび、新学期をひかえて小学校の教育もままならない事態となり、ついに新聞社も意を決して平時の半分の大きさのタブロイド判を刊行、これにより浮かせた紙を教科書に提供した。昭和21年(1946)師走のことで、いまではまったく忘れられているが、新聞の歴史上類例のない出来事である。p.522024/08/01
ISBN vs ASIN vs OPAC
0
ジャストシステムから出てるんだからATOK開発秘話があるとおもーじゃん!?かっふん。でも悪い本ではないです。日本語は世界唯一の特別な言語、的なあほあほアングルはほぼナシ、冷静に、ツールとしての文字、印刷の歴史本。2024/07/11
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