内容説明
しつこい強請屋が、ある日突然死んでしまった。朝までに危険な証拠をみつけなければ、身の破滅だ。男は必死で強請屋の足跡を追うが…。我々が強固な現実と信じて疑わない日常に音高く楔をうちこみ、直木賞候補となった異色の連作「少女と武者人形」全12話。ほかに「暗い夜、悲鳴が聞こえる」「旬の味」「カレンダー・ガール」等、単行本未収録の秀作11篇を厳選し、さらに奇妙な味の傑作「雪のなかのふたり」をくわえた逸品ぞろい。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
くさてる
11
短編集。なんとも不思議な、奇妙な味と片付けるのもためらわれるような落ち着かない読後感を残す作品が多かった。怖さという意味で「壁の音」「遭難」「ネコのいる風景」などが印象的だったけれど、奇妙で怖くて、厭な後味なのに、忘れられないのは「雪のなかのふたり」。2015/10/12
魔魔男爵
1
直木賞候補になった「少女と武者人形」を含む文学寄りの奇妙な味の短編集。ユーモアものもあるが、全体的にはホラー寄りか?エンタメとしての衝撃の結末を追求したものではなくて、文学寄りの曖昧な結末の話が多い。総合評価は並。2009/05/02
たく
0
怖くも無く少し不思議な、おお、そういえば「ふしぎ文学館」だった、と思って腑に落ちるようなそんな感じ。 特に熱心に読むわけではないが、多分どれがどの話だったか忘れたころに断片的に思い出して悶絶するのではないかと。 旬の味 雪のなかのふたり ホテルでシャワーを 多分この辺で。2013/12/19
hirayama46
0
短編集『少女と武者人形』に単行本未収録短編などを加えた短編集。全体に「奇妙な味」風味が強い『少女と武者人形』収録作はどれも良い(特にラストのなんともいえない哀愁が良い「友だちはどこにいる」、ちょっと筒井康隆っぽい不条理会話劇「ホテルでシャワーを」、締めくくりにふさわしい素敵な話「ラスト・オーダー」)ですが、未収録作品のほうもなかなか楽しめる作品が揃っておりました。皮肉な「狼がきた」、浮浪者とサラリーマンがいっしょに酒を飲んでいたらなぜか……という「雪のなかのふたち」が好みでした。2011/12/29
けいちゃっぷ
0
うーむ、半分は既読か。