内容説明
クイーンの短編小説観、カーの密室講義、チャンドラーの殺人美学、黄金時代を築いた作家たちが、惜し気もなく披瀝する小説作法の神髄。海外ミステリを愉しむための道標としての22編。バウチャーが論じるスパイ小説、ハメットの辛辣な書評、ガードナーは起源を探る。読む者も、書く者も、なぜこれほどミステリを愛してやまないのか。詳細なコレクターズ・ガイドを収録して、大御所ヘイクラフト畢生の名著を新訳。
目次
ミステリの読み方(ウィル・カッピー)
誰がアクロイドを殺そうが(エドマンド・ウィルソン)
ワトスンは女性だった(レックス・スタウト)
犯罪オムニバス(1928‐29)(ドロシー・L・セイヤーズ)犯罪小説十戒(ロナルド・A・ノックス)
探偵小説作法二〇則(S・S・ヴァン・ダイン)
探偵小説の技法(1924)(R・オースティン・フリーマン)
探偵小説を弁護する(1901)(G・K・チェスタトン)
一件につき2ドル50セントの殺人(スティーブン・リーコック)
短編探偵小説100年史(エラリー・クイーン)〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しろ
7
☆5 クイーンやチャンドラー、セイヤーズなど、名の知れた巨匠や評論家がミステリについて語る。いつもは作品しか読まないような大作家ばかりなので興味深い。ただ、もちろん古くてかつ海外のものなので、知らない名前がどんどん出てくる。かと思えば語られるのは歴史や「ミステリ万歳」なので深い考察や真髄などがあるわけでもない。まあ、やっぱりみんなミステリが好きなんだな、というのが伝わって良かった。読み物としては、2編目のミステリ批判が面白かったかも。大っ嫌いな人もいるんだね(苦笑)あとその次のワトソン女性説も面白かった。2012/02/14
wm_09
2
言っていること自体はどこかで聞いたことのあるようなものばかりだが、発言のコンテクストを考えると興味深いのは確か。往時のミステリ界を概観するためにも。(稲)2010/03/09
たぬたろ
1
レックス・スタウトの「ワトスンは女性だった」を目当てに読みました。こういうの大好きです…。この訳としては、最新の植村昌夫さんの訳が、より正しいものなのでしょうが、こちらの方が言わんとしていることは理解できるな、と思ったり。本全体としては、まず名だたる大作家たちの評論を集めた代物であるので、私のような数を読んでいないミステリ初心者では、当然ながら8割方(見栄を張っても)、よくわかんなかったです。しかしミステリを読み込んでいる人にはたまらないでしょうねえ。もっとミステリを読みたいと思わせる本でした。2013/04/02
sfこと古谷俊一
0
1946年のミステリ関連記事アンソロジー。幅広くて興味深いが、全訳ではないのね。2009/03/24
慧
0
BOMB2003/02/24