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目次
わたしとおそば(金原亭馬生)
貧凍の記(内田百〓)
ぼろけた下着に(岡部伊都子)
「貧」の光背―故富ノ沢麟太郎に就いて(吉田一穂)
夢いっぱいの女優はいつも貧乏が道連れ(杉村春子)
貧乏物語(吉田健一)
わが飢餓の時代(野坂昭如)
贅沢貧乏(森茉莉)〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヨーイチ
30
青空文庫に「乞はない乞食」添田唖蝉坊・演歌師ってのがあり、それのみ読了。一冊扱いが申し訳ない短さ。明治期の路上芸人の有り様を綴っている。芸人だ、闇営業だとか喧しい世の中で元手なし、芸の力でその日の酒手を稼ぐ、場合によっては漂白の旅もありそう。作者の記述では結構な人が「木戸銭」を払っている。別に初めての知識では無いのだが、施しとか喜捨とか「訳の分からない出費」をしなくなったのが近代とか資本主義と呼ばれるものだったのでは?って気が付いた。税の網掛けの完成とも言えるかも。2019/08/08
秋 眉雄
17
『たばこ尽きて買わんようなし。これほど苦しきこと世にまたあるべしや。たもと草も吸いてみつ。梅の枯葉もくゆらしてみつ。/堺 利彦』小沢昭一先生が選んだ28篇の随筆集です。いや面白かった。初めて読むどころか、名前さえ初めて聞く人が多数で、気になる人物が増えました。この日本の名随筆シリーズ、全然知らなかったんですが、凄いラインナップですね。いくつか気になるものを入手しようと思います。2019/01/05
新地学@児童書病発動中
3
貧乏をテーマにした随筆のアンソロジー。苦しい話が多いのだが、面白い。貧乏はクリエーティブであることが分かる。貧乏と文学は相性がいい。2010/11/22
行加
2
落語家や作家には貧乏が付き物ですが、この随筆集に収められた話は、どれも「貧乏も悪くはないかも…」と思える内容でしたw まあ、現代ではなかなか、山頭火や志ん生、三十五のような生活も難しいかと思いますが;; 「お金が無くても、豊かな人生」は、私の理想です(*^_^*)2015/01/18
仮面堂
2
拾い読み。森茉莉『贅沢貧乏』自分の現状に限りなく近い感じで微笑ってしまう。「若い時には腹を立てたが、どうやら大人の神経を持って来た此頃では、笑う方に同情をしている。」「正確に、現実の中だけで幸福だ、と言う人があれば、それは遠い祖先の猿から、あまり進歩していない人である。」「それ以上の、本当に金を使ってやる贅沢には、空想と創造の歓びがない。」2013/04/02