感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山がち
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八代集の評価は比較的穏当ではあるが、二条派や京極派の評価にはなかなか面白いものがあった。六帖題和歌が自由狼藉すぎる詠風であると非難され、伝統的で無難な和歌へと進んだこと、二条派は制の詞などによって個人の比喩や発想をを学び、わずかな異相に心の新しさを求め、類型美を生み出していること。京極派は確かに新しい境地を打ち出したものの内部においては類型化が進んでいることなどは、二条派、京極派のテンプレート的評価に対して注目するものがある。また、二条派の和歌は、新古今調の重層性よりも機知にとんだ変化に力点があるようだ。2013/10/06