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内容説明
大正・昭和の文化人を惹きつけてやまなかった、「月光荘」店主の生き方、暮らし方。
目次
月光荘おじさんを知っていますか
人生で大切なことは月光荘おじさんから学んだ
「月光荘しんぶん」から学びとるおじさんの教え
月光荘おじさんの職人魂
記事になった月光荘おじさん
家族から見た月光荘おじさん
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒロミ
19
月光荘の水彩絵の具を今月買おうと思っているので読んでみた。予想以上に良かった!内容は月光荘新聞からのよりぬきやベスト盤的なものだったが、水野スウさんのエッセイも素敵だし、何より月光荘おじさんの絵の具にかける熱い熱い職人魂を感じて胸がざわめいた。あと、月光荘に便箋が売っているのは「絵描きさんの恋人は絵を描かんでも手紙は書くじゃろ」という理由が最高に洒落ています。こんなにエスプリを感じさせてくれる画材屋さんて、無い。世界堂も好きだが、月光荘の通販も利用したいな。2021/04/09
Kiro
15
素敵な本でした。世にあるビジネス系の書籍を何十冊も読んできたように思うけど、どれも成果重視でそこにいかに最短で辿り着くかについてのお話が主でした。そしてそれをいかにして継続させていくかのお話や、行動の主体者である人についてのお話は、記憶の範囲では、言及されていませんでした。対してこの本は、プロセスや商売に通底する心、人としてのあり方、おじさんの人生についてのお話が主で、読んでいて学ぶところが多く、共感・感銘を受けました。お金がたくさんあっても、人でなければ、虚しいですね。2020/02/23
今庄和恵@マチカドホケン室コネクトロン
12
不勉強ながら月光荘なるものを知らず。まだ絵筆を握っていた頃に月光荘を知っていたなら絵をやめなかったかもな。美に魅せられた男性が絵を志すのではなく絵を描く人をサポートしよう、それを天職としようというのは何をしたいかわからない病の人からしたら羨ましすぎることだろう。普通でいい、何かひとつ人のためになることをすればいい、というのは月光荘創立者の言葉だけど、それができれば苦労しない。月光荘おじさんは描く人・書く人のためになることをしたのだろうけど、それは美に魅せられた人が美を生み出す手段の一つだったってことだよね2021/04/18
Valkyrie
7
田舎から出てきた小卒の若者が勇気を出して与謝野夫妻の家のベルを押せたのが月光荘の始まりだったんですね。画家は太陽、絵具屋は画家を照らす月の光、屋号の由来となった与謝野晶子さんの詠んだ歌も素敵。油絵の具の開発に魂の全てを注ぎ込んだ職人で本当にこの仕事が好きだったことが伝わってくる内容。最晩年95歳のときに起きた「月光荘事件」で全てを失いエレベーターも無い雑居ビル4Fの一室で「床に絵具を並べて」の再出発の話は胸が痛む。私が月光荘に初めて行ったのは20年くらい前で月光荘おじさんに会ったことが無いのが本当に残念。2022/01/22
いく
5
18才で東京に出てきて、今も銀座で100年続く画材屋さんを作ったおじさんの話。 この人すごい。 与謝野家に集まる芸術家先生たちのお役に立ちたいと、努力の末コバルトブルーの製法を発見し、純国産第一号の絵の具をつくった。 戦争中も絵の具を作り続け、戦争絵画の支えとなり、マッカーサーに呼び出されたときは戦犯として処分されるかと覚悟をきめたそうだが、アメリカには絵の具が無い、とまさかの注文。戦後も世界中から月光荘の絵の具を求める人が訪れたという。 上手く言えないけれど、生きることに対する考えが素晴らしい。2018/06/04