出版社内容情報
地方都市を支配する一族が営む総合病院に隠された深淵なる闇。続発する怪事件に立ち向かう偏屈探偵・蜘蛛手啓司は、過去から連綿と受け継がれる“負の歴史”に終止符を打つ事ができるのか……。第11回鮎川哲也賞受賞の実力派作家が放つ渾身の書下ろし長編!
【目次】
ネズミとキリンの金字塔
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
雪紫
57
街を支配する一族と恩恵。精神病院の非人道的扱い。謎の病院怪談。謎の浮浪者老人との交流。葬り去られた事件。そして大量の平面図と断面図、門前さん特有の建築知識とぶっ飛んだ奇想とトリックと図解図(模型消失や病院の謎好き)。残した謎とそれに関わる蜘蛛さんのスタンス。読みにくいとこあるけど門前さん特盛である。引っ掛かるとこやこれ伏線だなと思っても見抜けない。だから門前さんは続きを何年経ってもOKなのよ。そして今回蜘蛛さんデレ度合いが強いな。これだけでも見所あるそ。2025/11/04
さっちゃん
47
中央にピラミッド型の病棟がある大木総合病院。ある日、蜘蛛手らの目前でピラミッド棟8階の吊鐘棟が吹き抜けを落下。その中では密室殺人が…。/詳細な平面図、断面図に圧倒されつつも序盤からグイグイ引き込まれる。過去のアンデッド出現、猫の密室事件、ピラミッド模型消失事件、旧隔離棟密室殺人、そして現在の吊鐘棟崩落密室殺人事件と謎は多く、どれがどう繋がるのか。このラストはさすがに予想出来ず、遠大な犯罪計画と動機には頭から煙が出そうに。ド派手で奇想でイカれてて細かいところはどうでも良くなる。ふふふ、面白かった!2025/12/12
だるま
16
地方都市にある大木総合病院。中心にピラミッドの形をした本館があり、地域の方々に親しまれていた。一方、独裁的な病院との噂もあった。ある時、ピラミッドの上部を形成する吊鐘楝がスッポリ落下し、そこから探偵・蜘蛛手啓司を巻き込む奇妙な殺人事件が起こり出すのだった。いやあ、もう、冒頭から病院の平面図、断面図、俯瞰図が相当細かく提示され、「来たな!」と身構えざるを得ない。そして稀代のトリックメーカー、門前さんの奇想が爆発。こんなの考えても無駄なので、凄い凄いと読み進めるしか無かった。万人受けはせずとも、私は好きだぞ。2025/11/12
四弦桜
16
地方都市を支配する名家が経営する総合病院。ピラミッド型の病院のてっぺん、吊鐘棟の崩落。現場には副院長の刺殺体が…。 病院の闇。過去の密室殺人に深夜の怪事件。謎の浮浪者。 今作も蜘蛛手シリーズお馴染みの大掛かりな展開で読む手が止まらなかった😆2025/10/14
みいやん
8
蜘蛛手シリーズ?作目。数字やら図面やら苦手なものばかりであまり楽しめず。別な意味でホラーだった。2025/11/13
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