出版社内容情報
大きくてゆったりしたゾウ。小さくてチョコマカしてるネズミ。でも、一生に心臓がうつ回数を調べると、アレ? 意外な事実の積み重ねから、動物たちの生き方がくっきり見えてきます。
<読んであげるなら>---
<自分で読むなら>小学中学年から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
129
中公新書で何度か読んだ本ですが、その内容を子供にもわかりやすく絵解きされている本です。この絵が非常に面白く描かれていて色彩も話の内容にあったような感じがします。実際には結構難しい話だとは思うのですが小さい時からこのような疑問に応えてくれる本があることは幸せです。2017/12/09
へくとぱすかる
95
中公新書版のエッセンスを見事に凝縮。小人国でのガリバーは、何人前の食事が必要か。ここから出発して、ネズミからゾウまでのさまざまなサイズの動物を比較していく。動物のサイズがもたらすメリット・デメリットを追求すると、一生が短いネズミはかわいそうだと考えることもできるが、動物自身はどのように感じているのか、動物の感じるクオリアを人間は知ることができないので、あくまで仮説になってしまうが、大いに説得力はあると思う。2020/02/07
ぶち
68
あの理科系のベストセラー『ゾウの時間 ネズミの時間』の著者による絵本。時間とは何にでも同じように流れているという常識を覆してくれます。小さな人の動作は機敏で、大きな人の動作はゆったりしています。体のサイズと時間との間には何か関係があるのです。この絵本は、そんな関係を図や絵をふんだんに使って平易に説明してくれています。ネズミにはネズミの時間、ネコにはネコの時間、イヌにはイヌの時間、ゾウにはゾウの時間。動物はそれぞれの時間の中で生きていることがわかってきて、新たな世界が開けてきます。2018/10/19
クリママ
50
実に興味深い。小人の国に流れ着いたガリバーの食事の量から始まる、小さな動物と大きな動物の比較。早く大人になって子供を産み、短い一生を終えるネズミ。長い一生をゆったり送るゾウ。でも、小さな動物も大きな動物もそしてヒトも、速さの違いこそあれ、一生の拍動回数は15億回。先に読んだ平野啓一郎「かたちだけの愛」の中に一日の残り時間を示す時計のデザイン案があったのを思い出した。人生の残り時間を示す時計があれば、計画的かつ実用的だと思うけれど、かなりコワイかな。2022/03/25
chiaki
42
中公新書から出ているものの子ども向け。とは言え、算数無理な私には序盤はぼやっとしか分からず!体の大きさと食べる量は比例しないんですね。身体の大きさに関わらず、哺乳類が一生のうちに心臓が打つ回数は15億回と決まっていて、それぞれの時間軸でせかせか生きたりのんびり生きたりしてるんだ!短い一生を全速力でかけていく小さい動物は、私たちが生きる一生をぎゅぎゅっと凝縮してるってことかぁ。環境の影響を受けやすい小さい動物は、一生が短い分、子孫をすぐにつくりだせるから、新しい環境への適応力も高いということが目から鱗!2021/03/30