出版社内容情報
歯に衣着せぬ物言いで根強い固定ファンを持つ著者が、若い頃に憧れ幻滅した哲学について、「この世にはバカ哲学が存在する」と書き下ろしたちょっとへそ曲がりな哲学読本です。
内容説明
「哲学は学問ではない」「哲学は文学ではない」。“哲学は何でないか”をめぐって綴られたちょっとセンチメンタルな20世紀思想読本。附論「東大生は性格が悪い?」を併録。
目次
はじめに―哲学は何でないか
第1章 哲学は学問ではない
第2章 哲学は文学ではない
第3章 哲学は「日本文化論」ではない
第4章 哲学は宗教ではない
第5章 哲学は精神分析ではない
第6章 哲学は道徳ではない
第7章 哲学は物理学ではない
第8章 哲学はポストモダンではない
附論 東大生は性格が悪い?
著者等紹介
小谷野敦[コヤノアツシ]
1962年茨城県生まれ。東京大学文学部英文科卒、同大学院比較文学比較文化専攻博士課程修了、学術博士。大阪大学助教授、東大非常勤講師などを経て、作家、比較文学者。著書に『聖母のいない国』(河出文庫、サントリー学芸賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふみあき
71
「ポストモダンのインチキ」というのが副題で、こっちの方が内容に合致してるか。佐野洋子の『100万回生きたねこ』は、著者によると「赤い糸幻想」を若者にまき散らしている悪書で、私なんかは普通に感動的な童話だと思っていたし、小学生の息子にも買い与えていたので、その指摘に目から鱗が落ちた。あと哲学者はモテ男で、キェルケゴールもサルトルも中島義道も女性に不自由しなかったらしい(シオランもか?)。それにしても本書が19年刊、以後、著者はこの手の時論だったりエッセイだったりを上梓していないと思うが、ファンとしては残念。2025/06/08
ただいま蔵書整理中の18歳女子大生そっくりおじさん・寺
63
哲学を中心とした学問談。『学問はいずれ「終わる」』というのはなるほどと思った。でも本能寺の変に黒幕はいないとハッキリしてもなお陰謀論を出して来る研究者がいる。終わったものを味が無くなるまでしゃぶる人はいるものだとふと思った。東大生は性格が悪いかというオマケも楽しく読んだ。2019/11/05
軍縮地球市民shinshin
6
女性学は学問ではない。なるほど。2020/01/24
原玉幸子
5
学術的に、哲学は元より宗教や文化・文学、言語学等に言及し、「こうでしょ」と批判も厭わずに言い切る切り口が痛快です。副題に関しても「構造主義とは学問の方法であって哲学ではない」と、これも又、明快故の目から鱗。但し、巻末人名索引をちょっと数えただけでも430人内外、彼らの著作全部とは言わずとも、3、4割はどんな人かを或る程度知らなければ、著者のユーモアを感じて読めないので、読者はそれなりの一般教養を試されます! 生半可な知識で哲学を趣味的で語ると、著者に、ば~かと言われてしまいそうです。(◎2019年・冬)2020/04/24
tamami
5
本書を読みながらまず何よりも著者の、広範かつ圧倒的な読書量に驚かされる。学者、評論家という類いの人たちは、これほどまでに本を読まなければいけないものなのだろうか。生活の糧ということならそういうことなんでしょうね。本書は、古今東西に渡る哲学、文学、歴史、その他その周辺の、著作や著者に関するゴシップ集、というのが当たっているように思う。引用されている膨大な著作について、全部に当たることは不可能に近いけれど、興味のあるところを二三掘り下げて原著作を繙くのは、読書の醍醐味の一つと言えるのではないか。2019/11/16
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