内容説明
江戸末期、なんと人口の半分がサムライ、という地域があった!それが都城(宮崎県都城市)である。この武士の王国を統べる都城島津家六五〇年の秘史を語りつつ、「日本とは何か」に鋭く迫る歴史ドキュメント。
目次
謎の国書
武士の王国
京の守護者
薩英戦争
日本最強の部隊
島津、分断す
西南に独立国家あり
戦火、已む
殿様と新政府
ふたたび海を渡る
帰還
著者等紹介
米窪明美[ヨネクボアケミ]
1964(昭和39)年、東京都生まれ。学習院大学文学部国文学科卒業。現在は、学習院女子中等科の非常勤講師として作法を教えている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mazda
39
普通の歴史教科書から、もう少しディープな部分まで掘り下げてくれている良書です。薩英戦争のきっかけになった生麦事件について、薩摩の主張は「相手が外国人だから斬ったわけではない。日本の国法を守らなかったから斬ったのである。我々が英国に行けば、英国の法を守らないといけないのと同じ」とバッサリ。まったくもって道理にかなっています。それで売られたケンカを買うという度量の大きさ。関ヶ原の敵中突破といい、先手必勝、一撃必殺の示現流といい、なかなかよそでは見られない特徴がある面白い国だな、と思いました。2014/11/12
テツ
3
関が原での屈辱から時は流れ、幕末維新の討幕運動での島津の活躍。260年の時を経て雪辱を晴らした島津家の意地と心意気。そういったモノを育んだのは一体何だったのかぼんやりと理解出来た気がする。誰でも知っている鬼島津だけではなく、島津家を支えた全ての人間の意志が幕末を経て今日の日本にも影響を与えている気がするなあ。2015/05/18
rinpei
2
室町時代から現在まで、都城島津家の歴史が駆け足で紹介されている。興味深い人物、事柄が数多含まれ、門外漢の私ですらそうなのだから、著者も想像力を掻き立てられたのでは? いつの日かそれらが小説や推理仕立てのドキュメントになって我が目に触れることを期待してます。2014/11/28
海
1
薩摩藩は江戸時代になっても地方知行制を続けてたってところにものすっごい衝撃を受けてしまい、他の部分がほとんど飛んでしまった…。自分の無知を思い知らされてショックすぎた本。道理で薩摩って異色なわけだ。日清戦争のお殿様大活躍!のところは以前読んだ「皇族と帝国陸海軍」のおかげで著者の気合と意図通りに読むことができなくて残念w2012/01/03
mdsch23
1
題材は非常に面白く着眼点が良いなと感じさせられた作品。但しテーマに対してページ数は明らかに不足。もっと掘り下げて欲しかった。この分量だと新書でも出せたのではないか。惜しい、もったいない。大変残念です。2010/08/29