内容説明
社会における組織された経済的力能が実質的に国家意思を形成する主体となり、圧力団体が政治を簒奪している状況は、日本を含む現代国家に通有のものである。そのため、国家が本来持つべき民主的公共性をいかにとり戻すかが各国で共通の課題になっている。本書の何よりのメリットは、この点を遺憾なく具体的に明らかにしているところにある。現代スイス政治の病理を実証的に分析。
目次
第1章 “複合体政治”に対する大きな疑念
第2章 民主主義の黄金律
第3章 国家と組織された諸利益との絡まり
第4章 ロビーはどこで複合体へと凝縮しているのか
第5章 法律の“プレハブ生産”
第6章 利益団体の圧力の下での決定に至るまでの意思形成過程
第7章 議会は何かを感じ取っている
第8章 それでは統治者は誰か―国民なのか、それとも利益団体なのか?