出版社内容情報
ヒトラーの最期を目撃した親衛隊員の慟哭の手記。
内容説明
追いつめられ、苦悶し、最期の時を迎えた独裁者―。すべてを目撃した親衛隊員が、60年の沈黙を破ってはじめて語る。
目次
ヒトラーの警備兵になる(最後の生き残りとして;ヒトラーの台頭に関心はなかった ほか)
官邸の主、ヒトラーの生活(総統官邸の日常;側近たち ほか)
「ドイツ軍は退いてはならない」(飛び去ったヘス;“狼の巣” ほか)
ヒトラー、最期の日々(迷路;「私の上に爆弾は落ちない」 ほか)
著者等紹介
ミッシュ,ローフス[ミッシュ,ローフス][Misch,Rochus]
1917年7月29日生まれ。37年、ナチス親衛隊員となり、40年5月からヒトラーが自殺する45年4月30までの5年間、“総統護衛部隊”隊員としてヒトラーの身近警護にあたる。戦後、旧ソ連で8年半の捕虜生活を強いられ、53年の年末に解放され、ベルリンに帰還する。現在、“総統護衛部隊”の最後の生き残りである。ベルリン在住
小林修[コバヤシオサム]
1954年生まれ。武蔵大学仏文専攻卒、同大学院同専攻中退。仏文翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やまはるか
19
ヒトラーの警備兵であった筆者が敗戦から60年を経て語った記録。編者自身が「あえて知ろうとしない心の揺れ、罪深き沈黙」と述べているように記憶は都合よく再構築されていると読める。ヒトラーの特別列車は時刻表により運行されている一般の列車を優先させて走っていたという記述は事実であれば、現代の我が国のその種列車の運行と比べても驚くに足る。ベルリン陥落の直前、連合軍側から「最低あと2、3週間ベルリンを死守してくれ」との電報が届いたと云う。ソ連の進攻が早すぎ米英側が遅れを取ったというのか。証言として興味を持って読んだ。2023/12/06
Yumikoit
2
これを読んでいたら、長男1号が「(ヒトラーは)どんなひどい男だったんだろう」と言った。誰が見ても狂人でひどい男だったら、一国の総統にまで上り詰めることはないだろう。部下や身の周りの人々に慕われたり崇拝される何かがなければ時代の流れに乗ったとしても上り詰めることはない。政治的な主義などを持たなかった著者の体験記。2010/05/05
みゆう
1
警護部隊のミッシュ、ヒトラーの側で最後まで仕えた人の証言。ほとんど内部の事を知らず、詮索せず、無関心でいたからこそヒトラーが自殺するまで仕えていれたけど、読む方は期待してただけにヒトラーの一部分しかわからなかった。でも、ヒトラーは自分のために働いていた人の名前や気遣いを示していた事を知り残虐さもありながら人間味を帯びていた。信長と酷似していると思った。2022/07/16
REGALO
1
ヒトラーを身近で見てきた元総統護衛部隊の証言。仕事は、政治とは直接関わるものではなかった。ミッシュの「何も見ず、何も聞かず」の処世術。この2つのことから、ヒトラーの性格、行動を己の都合よく、変えることなく証言した本だと思う。ヒトラーは、庶民の心を掴むのが、非常に上手かったということを聞いたことがあるが、この本の中でのヒトラーは、細やかな心遣いの出来る男といった印象を受け、上記のことにも納得できるものだった。2014/07/11
良秀
1
元親衛隊員による貴重な証言2012/10/17