内容説明
〓小平はいかなる手段を使って中国を「共産党の指導する資本主義国」に変えたのか。江沢民はどうやってこの体制を維持してゆくつもりなのか。かれは本気で台湾との統一を望んでいるのか。台湾の李登輝に独立の意思はあるのか。なぜシンガポールの華人指導者リー・クアンユーは李登輝を「日本的」だといって中傷するのか―。台湾の民主化運動を進めてきた論客が、〓小平、江沢民、李登輝、リー・クアンユーの政治・外交戦略の真の狙いを大胆に解き明かし、大転換の時代を迎えたアジアの変化の鍵を握る中国がいま何を考えているのかを徹底的に語り合う。本書が示唆することは、中国がいざというときに発揮する大中華主義の非情さであり、中国がこれを振りかざすかぎり、アジアに安定はもたらされないということであろう。日本人の覚醒を促す爆弾的な対論である。
目次
プロローグ 三十一年目の台湾
1 〓小平―なにをしたのか
2 江沢民―なにを引き継いだのか
3 愛国主義―中国では、台湾では
4 上海がすべて―蒋親子のしたこと、江沢民のこれから
5 台湾を変えた起業家たち
6 李登輝―なにをしたのか
7 江沢民―かれのやった戦い
8 武力不行使を約束せずvs台湾関係法
9 アジア・太平洋の平和と日米安保
10 「大国が興隆する過渡期」なのかもしれない
エピローグ 2020年の中国