虚無感について―心理学と哲学への挑戦

フランクル，ヴィクトール・エミール【著】〈Ｆｒａｎｋｌ，Ｖｉｋｔｏｒ Ｅｍｉｌ〉/広岡 義之【訳】

青土社（2015/12発売）

• サイズ B6判／ページ数 370,／高さ 20cm
• 商品コード 9784791769063
• NDC分類 146.8
• Cコード C0011

出版社内容情報

未邦訳論集、待望の刊行！！世界的なロングセラー『夜と霧』や『死と愛』で知られるヴィクトール・フランクル。日本でも1950年代の初訳から長きにわたって読み継がれてきた。生きがいを喪失させる現代社会において、生きる意味を取り戻すためにはどうすればよいのだろうか。長年の豊富な臨床から得られた経験をもとに、魂の真の癒しとは何かに迫る。

内容説明

失われた意味を求めて。日々の生活の中で感じる無力感や虚無感とは何か。豊富な臨床体験をもとに、さまざまな角度から生きる意味を取り戻すための処方箋を提供する。フランクルの未邦訳論文集、待望の邦訳。

目次

第１部　無意味の感覚―時代への挑戦（無意味の感覚―心理療法への挑戦；精神医学と人間の意味の探求；ロゴセラピーとは何か；ロゴセラピーにおける人間の捉え方；自己実現を超えて；ロゴセラピーの哲学的基盤）
第２部　意味の探求（その１）（意味探求と実存主義；心理療法とは何か；科学は人間をどこまで把握できるか；私の思想は科学的でありうるのか；私は人間の責任をいかに考えているのか；「意味する」とはどういうことか）
第３部　意味の探求（その２）（苦悩への挑戦；宗教と実存的心理療法；巨人の肩に乗って―フロイトとのかかわり；講義室からアウシュヴィツへ；現代の集団的神経症）

著者等紹介

フランクル，ヴィクトール・エミール［フランクル，ヴィクトールエミール］ ［Ｆｒａｎｋｌ，Ｖｉｋｔｏｒ　Ｅｍｉｌ］
ウィーン大学医学部の神経学と精神医学の教授を務めた。また２５年間にわたってウィーン神経学ポリクリニック市立総合病院の部長職にあった。彼の「ロゴセラピー（実存分析）」は「心理療法のウィーン第三学派」として知られるようになる。ハーバード大学、スタンフォード大学、ダラス大学、ピッツバーグ大学で客員教授として、さらにはカリフォルニア州サンディエゴにあるアメリカ合衆国国際大学のロゴセラピー特別教授として招聘された。１９０５年生まれ。ウィーン大学から医学博士と哲学博士を取得している。１９９７年にウィーンで亡くなる

広岡義之［ヒロオカヨシユキ］
１９５８年生まれ。関西学院大学大学院文学研究科博士課程満期退学。神戸親和女子大学発達教育学部教授・大学院文学研究科担当。専門は教育学（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[テツ]

『夜と霧』の著者フランクルによる講演のまとめその他諸々。生きていく過程で大なり小なり誰もが一度は苛まれるであろう虚無感。生きることの意味や、死を約束された存在である自分(たち)が存在を維持し続けることの意味。そうした疑問に絡み取られることは決して悪いことではない。ただそこに留まることにより得られるある種の甘い苦しみに浸っていてはいけない。自分の精神の動きを自分なりに噛み砕いてみること。思考も精神も深く掘り下げて観察してみること。人間にしかなし得ない崇高な行為から逃げてはならない。

2018/08/02

[よしひろ]

虚無感。その心理に迫る。どういう心の作用なのか。それを学問として探求してきた、ヨーロッパ。心理学について学者たちの様々な意見に触れられる。

2016/03/07

[よ]

あんまり深刻な問題意識からではないけど、虚しくなることがあるので。とりあえず楽しくないから楽しいこと探して楽しくしてる。自分で意味を見出だすことができれば強い。たまに人からヒントを貰えればちょっとうれしい。わたしもヒントを差し出せる存在でありたい。

2016/12/23

[ぴの]

何かしら落ち込むたびに「自分は何の意味が生きているのだろう…？」という哲学的思索に耽るのですが、たまたまそういう時期に本書を見つけて読みました。かの有名なフランクル先生の講演会の内容をまとめたものですが、大変勇気を与えてくれるものです。特に価値と意味の違いについてはハッとさせられました。何度かたまに開いて読みたくなりますね。

[kanazy]

フランクル心理学の中でも、すごく理論的に記載されている一冊。普通に理解するのであれば夜と霧でよいのではないか？

2019/01/01