悪魔の歴史

悪魔の歴史

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  • サイズ B6判/ページ数 482p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784791753314
  • NDC分類 191.5
  • Cコード C1010

内容説明

古代エジプト、ペルシア、インドから、中世ヨーロッパを経て近代文明へといたる、〈悪〉と〈悪魔〉の観念の変遷を刻明にたどり、その全容を思想史のダイナミズムのうちに、透徹した、客観的な筆致で描きだす、悪魔学の古典的名著。

目次

1 宗教的観念としての善と悪
2 悪魔崇拝
3 古代エジプト
4 アッカドと初期のセム族
5 ペルシアの二元論
6 イスラエル
7 ブラーマニズムとヒンドゥズム
8 仏教
9 新しい時代の夜明け
10 初期キリスト教
11 ギリシアとイタリアにおける救済の観念
12 北ヨーロッパの悪魔信仰
13 悪魔の全盛
14 異端審問
15 宗教改革の時代
16 魔女狩りの廃止
17 詩歌と伝説から
18 哲学的な問題

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

sin

60
悪魔の歴史とは貶められた異郷の神々の歴史…自分達の信じる存在が神であり異教徒のそれは悪魔であるとされたが、その歴史的事実において実在する悪魔を見出すことは出来ない。神の実在を証明する初期の段階において奇跡を要しその同じ奇跡を異端者が行うことを悪魔の仕業と決めつけた。しかし異端審問や魔女狩りを行った聖職者達に悪魔の所業を見出すことが出来る。信心は善であり疑心は悪である。神を信じる者が悪魔の存在を必要としたのだ。恐ろしいのは信仰に対する盲信であり、悪魔という外的な存在ではなく人の内に或る悪ではないのだろうか?2016/06/17

4
借)キリスト教の悪魔論かと思っていたので東洋の神話から始まったのには驚いた。つまりキリスト以前の宗教から切り込んだのだ。それはエジプトからインドの東洋的宗教で子細解説されていて興味深かった。そこから新たな黎明として一神論、キリスト教に触れていく。異端、正当、そして魔女狩りへと展開し、知識人から民衆の心理に触れ、最後は悪魔の役割変化、そして哲学的なアプローチとして著者の持論を織り交ぜながらまとめる。この一冊は悪魔を中心としているが、それだけで終わらないもの。何度も読み返せる本だ。2011/12/07

OZ

0
「わたしが分からないものは、わたしを熱くはしない」本書は1900年に出版された、かなり古い著作。野蛮人の時代から、その当時までの宗教観を網羅的に説明・解釈しようという試みがなされている。その明晰な著述と、幅広い知識はまさに圧巻の一言であり、グノーシス派、シュメール神話、北欧神話の思想なども随所で取り扱っている。時折はさまれるイラストも、じつに興味をそそるものである。著者が偉大な研究家であったことは明らかで、悪魔の歴史とはあるが、宗教の発展と共に、思想や哲学を交えて説明してくれる。素晴らしい一冊です。2015/10/18

gkmond

0
最終章はさすが百年前って感じだったけど、そこまでは面白かった。訳者あとがきには原書のミスプリに泣かされた、悪魔のいたずらかって書いてあるんだけど、訳文の字面にも脱字が散見された。もしかすると悪魔のいたずらなのかもしれない。2014/10/16

偽教授

0
悪魔のみなさんの歴史についての本ではなく、世界の悪魔伝承史についての、まじめな文化史の本。キリスト教より遥かに古い時代から説き起こされます。2013/02/25

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