内容説明
あだ名・姫若子、幼名・弥三郎。後の長宗我部元親は色白で父親・国親をはじめ家臣団からは、武将としての器ではないとみられていた。どちらかといえば次男、親貞のほうがその才に恵まれているようだった。その姫若子が初陣を飾った。二十三歳の時だった。周囲の心配をよそに手勢五十騎で本山勢の真っただ中に突っ込んで行った。しかも騎馬武士二人を討って家臣一同を驚喜させた。これが後に〈土佐の出来人〉と呼ばれるきっかけとなった戸ノ本合戦である。土佐を平定し、高知に城を構え四国全土を制覇するまでになった男の、夢と野望に満ちた生涯を描いた、書下し長編歴史小説。



