出版社内容情報
認知科学の有力な手法として,子どもの発達研究からメーカーのハイテク新製品の開発まで,今日幅広く使われるようになったプロトコル分析の理論と方法の実際を,きめこまかく基礎から懇切に解説し,興味深い実際例を示した日本で初めての入門書。
「頭の中の働きを知る」のが、認知研究のねらいである。しかし、「中」を知るのは、極めてむずかしい。「直接には見えない」からである。「見えるもの」に、心理学の研究対象を限定してしまった行動主義は、一つの賢い選択をしたといえる。その結果、「心」を捨ててしまうことになったとしても。人は、確かに、自らの頭の中で何が起こっているかを語ることはできる。しかし、また、頭の中で起きていることのすべてを語れないことも確かである。何を語れて何を語れないのか。プロトコル・データ(被験者に語らせたデータ。正確には「発話」プロトコル・データ)という、「汚い」が、しかし、「豊富な情報を持った」データが、何かを実証するためのデータとして使えるのか。かつてヴント、ティッチナーが使った内観法とどこが違うのか。内観を捨てることによって科学としての地位を固めてきた心理学にとって、先祖帰りではない根拠をしめす必要がある。(「はじめに」より)
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【関連書籍】
『 日常生活の認知行動 』 J・レイヴ著 (定価3780円 初版1995を復刊)
『 大脳皮質と心 』 J・スターリング著 (定価1890円 2005)
『 誰のためのデザイン 』 ノーマン著 (定価3465円 1990)
目次
プロローグ プロトコル分析の過去、現在、未来―内観法からエスノメソドロジーまで
1章 語ること・語らせること―対話としてのプロトコル
2章 プロトコルの発生過程
3章 プロトコルからわかること、わからないこと
4章 プロトコル・データの収集方法
5章 プロトコル・データの記述と解析
6章 プロトコル・データの分析視点―分析のための単位
7章 分析的な読みにおける「書くこと」の効果の検討
8章 プロトコル・データによる製品の評価
9章 人・コンピュータ交流の分析
10章 手順説明のプロトコル分析
11章 「おせじ」のプロトコル分析―エスノメソドロジーからのアプローチ
12章 認知発達研究におけるプロトコル分析―協同的課題解決における協同性の検討
感想・レビュー
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