内容説明
ますます細分化していく社会の中で全体をどうとらえるのか―広範な知の領域で論争を喚起し、また「難解さ」で知られるルーマン理論のはじめての解読書。
目次
学際的パラダイムとしてのシステム理論
社会システムの理論
社会の理論
社会診断
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ドン•マルロー
15
社会システム理論への入門書としては最良の書であるだろう。しかし、社会システム理論自体の複雑さから、拒絶反応を起こす人も少なくないように思われる。『観察者は自分が何を見ることができないかを観察することができない』。この文章にピンときたそんなあなたなら、購入する価値はありそうだ。2019/04/07
うえ
8
カント的な伝統に立つハーバーマス達は、近代社会はコンセンサスによる価値や規範が存在しているという仮定により自分たちの主張を支えようとする。しかし「社会システム理論に触発された倫理学は、そうした考え方に反対する。…ルーマンによれば…社会全体に通用するような統一的な道徳プログラムはもはや存在しえない…道徳的コミュニケーションについての社会学的観察は、近代社会が道徳を基礎としていないことを教える…それは、機能的分化した近代社会が道徳的コミュニケーションによっては統合されえないという事態を指し示しているのである」2019/10/06
センケイ (線形)
2
人間の心的システムと社会システムとの独立性、そして科学・経済・法などが真偽等の2値の観察をするという大胆な仮説に驚く。が、だからこそ、社会を記述的に扱うにはうってつけの、優れたモデルに感じられた。この本では基本的に肯定的に書かれているので、若干の慎重に読む必要はあると思う。しかし1モデルとしては、社会を独立した単一のレイヤーとし、しかも数値で表現できる規範に落とし込みつつ再生産や非平衡開放を考えるその取扱のしやすさは、応用には事欠かない印象だ。2017/09/30
富士さん
2
大学時代、社会システムがわかりませーんと指導教官に言ったら紹介された本。その時はそれでも砂を噛むようでしたが、今読んでみるとめちゃくちゃわかりやすい、しかもおもしろい!中でも、社会システムと感情システムは互いに環境であっても一つのシステムにはなり得ないという指摘には感動しました。相手がどうあるかということと、自分がどう感じるかということの絶対的な隔絶。体感としてあるものをここまで明快に理論化されてしまうとは。人は共感の基盤を先天的に持っているんだという、極めて傲慢なエゴイズムは排斥されてしかるべきです。2015/03/20
きをふし
2
【動機】『信頼』が難しかったので。【内容】一般システム理論から社会システム理論へとだんだんと拡張・適用させていくような流れでルーマンの社会理論を解説している。【感想】システム理論の解説は整然としているが、理論の言葉が広範な社会の言葉に結びついていくにつれて、理解や想像が難しくなった。自分にとってのルーマン理解の難しさは、いろんな社会の言葉を知ることではないかと思った。2013/07/08
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