出版社内容情報
日本のランドマーク・富士山は何を象徴しているのか? 崇高さか親しみか、女性性か男性性か──つねに両義性をともなう富士山のイメージ。文化や時代によって変遷する富士の魅力と実像、あるいは虚像までを解き明かして浮かびあがらせる日本人の心性史。
第1章 俗界富士 藤原新也
第2章 「富士山」のイコノロジーと日本人の心性 竹谷靱負
1 「富士山」のイコノロジー
2 近・現代の富士山観
第3章 富士の絵、その展開と諸相 山下善也
1 古代・中世
2 近世
3 主題の変奏
第4章 近代日本の教科書と富士山 阿部 一
1 教育原理としての国体
2 『日本風景論』の影響
3 富士山を扱った教材の変遷
4 教科書における富士山の象徴性
第5章 登山史のなかの富士山 小泉武栄
1 噴火する富士山
2 富士山における登山の始まり
3 末代上人の富士登山
4 室町時代の富士登山
5 江戸時代の富士登山
6 明治時代以降の富士登山
第6章 富士信仰と日本的霊性 鎌田東二
1 精神のランドマークセンターとしての富士山
2 富士の信仰――粟と虫の反朝廷文化
3 『万葉集』の富士山
4 富士の諸相とそのコスモロジー
第7章 富士への祈り――江戸富士講における救済観の展開 宮崎ふみ子
1 富士信仰の展開
2 身禄の教義における救済観の展開
5 第五景
第12章 富士には月見草がよく似合う――近・現代文学と富士山 川村 湊
1 遠近法の眼鏡
2 「遊女」と富士
3 火山の変容
4 富士という遠景
第13章 外国人の見た富士山 竹村 功
1 わが国の外国人たち
2 江戸参府旅行
3 開国交渉に訪れた人々
4 明治時代の外国人たち
5 昭和初期の外国人
内容説明
日本のランドマーク・富士山はなにを象徴しているのか?崇高さか親しみか、女性性か男性性か―そのイメージにはつねに両義性がともなう。文化によって時代によって変遷する富士のイメージをたどりながら考察する日本人論。
目次
俗界富士
「富士山」のイコノロジーと日本人の心性
富士の絵、その展開と諸相
近代日本の教科書と富士山
登山史のなかの富士山
富士信仰と日本的霊性
富士への祈り―江戸富士講における救済観の展開
女人登山禁制小考―富士参詣者と地元住民との関わりから
富士を伊達に詠むこと―富士詠の近世
平安時代の富士山―あこがれとおそれのあいだで
富嶽五景
富士には月見草がよく似合う―近・現代文学と富士山
外国人の見た富士山
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マゼンタシアン
yamakujira
HIRO1970