討議 詩の現在

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  • サイズ B6判/ページ数 384p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784783716273
  • NDC分類 911.5
  • Cコード C0095

内容説明

いたるところに存在する見えない戦争のさなか、どのようにして詩は可能になるのか。突き刺さる現実を問い、『討議戦後詩』の成果を踏まえて、詩と生を貫く骨太な論理を提示する。最先端で活動する詩人、作家、批評家らとの2年間にわたる白熱の連続討議。

目次

外傷としての「近代」―概論
起源・反起源―吉岡実、堀川正美(ゲスト・佐々木幹郎)
神話・アーカイヴ―入沢康夫、高橋睦郎、藤井貞和(ゲスト・田野倉康一)
記憶・外傷―「荒地」、辻井喬、稲川方人(ゲスト・吉田文憲)
都市・抒情―田村隆一、岡田隆彦、寺山修司、辻征夫(ゲスト・和合亮一)
愛・メタモルフォーゼ―吉岡実、鈴木志郎康、平田俊子(ゲスト・中沢けい)
日録・忘却―飯島耕一、清岡卓行、三木卓、天沢退二郎
形・迷宮―渋沢孝輔、安藤元雄、藤富保男、「麒麟」(ゲスト・陣野俊史)
母語・異人―谷川俊太郎、白石かずこ、長谷川龍生、安水稔和(ゲスト・遠藤朋之)
出現・亡霊―吉増剛造、入沢康夫、岩成達也(ゲスト・宇野邦一)
定型・共同体―大岡信、高橋睦郎、飯島耕一(ゲスト・穂村弘)
言語・世界―吉岡実、吉増剛造(ゲスト・藤沢周)
資本・痛覚―荒川洋治、藤井貞和、瀬尾育生(ゲスト・永原孝道)

著者等紹介

城戸朱理[キドシュリ]
1959年岩手県生まれ。著書に『不来方抄』(歴程新鋭賞)などがある。SKY PerfecTV!のアート番組「Edge」の企画・監修をつとめるなど、広範な知識と経験に裏打ちされた多岐にわたる活動を行なう。「戦後詩」以後の現代詩を推し進める先鋭的詩人

野村喜和夫[ノムラキワオ]
1951年埼玉県生まれ。著書に『特性のない陽の下に』(歴程新鋭賞)『風の配分』(高見順賞)『ニューインスピレーション』(現代詩花椿賞)などがある。批評、翻訳、朗読へと軽やかで稀有な強度をもつ活動を展開し、現代詩の新世代を主導する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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NASUCUBE

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『詩の現在』。新しくもない他分野の進展をもとに詩人や作品の解釈をしている。そこに詩が投げるものがない。他分野の助けを借りて、その曖昧な文章をこう読めるとか、思想家のだれそれのこの概念に近づけられる、と弁護するだけで、詩自体が思想なり視点の基点になるということがない。 詩人が何を記述”しようとしたか”の”推理”が全く具体性も抽象性もなく喧伝される。掲載された作品からどうそれが読み取れるのか一切書かれない。極端な例えばの話、対話者の議論ととりあげている作品の結びつきを総シャッフルしたところで何も不都合がない。2015/01/24

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城戸「谷川さんが作った校歌というのがあるんだけれど、これが傑作でね。ふつう学校の校歌って固有名詞を連呼するでしょう。(中略)谷川さんのは、そういうのが何もないのね。ケンカをしても友だちだ、みたいな。その意味では、日本が土地ごとの固有性を失って全体の均一化を生んでいく、戦後の資本主義と連動する民主主義の社会のなかで立ち上がった詩人だというのを痛感します。」(254頁) 私の通った学校の校歌も作詞が谷川俊太郎でした。2020/01/15

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