内容説明
新型潜水艦の士官として艦の戦力向上に心血をそそぎ、またベテラン艦長の下で幾多の困難に立ち向かい、そしてまた、輸送潜水艦長として極限状況におかれた孤島への物資輸送に従事した苛酷な日々。精鋭艦を揃えながらも硬直化した用兵によって消耗した日本海軍潜水艦の悲壮な闘いを自らの体験をもとに描く感動作。
目次
第1部 (沈黙の真珠湾;死出の旅路に;奇蹟の潜航作戦;地獄の海で;極限の島への輸送)
第2部 (潜水艦運用に見るミッドウェー海戦;潜水艦作戦指導の問題点)
著者等紹介
荒木浅吉[アラキアサキチ]
大正5年3月、山形県に生まれる。昭和12年3月、海軍兵学校卒業(64期生)。「名取」「那珂」「蓬」乗り組みをへて、13年12月、伊2潜砲術長。14年11月、伊70潜航海長。16年7月、伊24潜航海長(艤装員)。17年5月、伊176潜水雷長兼先任将校(艤装員)。19年1月、呂59潜艦長。同6月、伊363潜艦長(艤装員長)。終戦時海軍少佐。戦後、海上自衛隊勤務=おやしお艤装員長、防大教授、第1潜水隊司令、海将補、第1潜水隊群司令(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
太陽の塔
3
当事者にもかかわらずものすごく冷静に当時を振り返っていて、荒木氏の階級だからこその話は説得力があるし現場の人間だからこそ言葉に重みある。2012/03/20
富士さん
2
再読。当時の日記に加筆したような内容です。その分、細かいトラブルや訓練、事務的なことについても書かれていて、潜水艦ファンにはうれしい1冊でした。それに加えて、本書の最も興味深い点は潜水艦を実際に運用する側からの戦況や戦術についての忌憚のない意見が書かれているところで、よく日本の技術は世界一的な流れて触れられる酸素魚雷にも使用の際に欠点があり、最も悪いことに最後まで改善されることがなかった、などです。実は精神論は意外に正しく、アメリカと日本の大きな差は物理的な優劣よりも心構えにあるのではないかと思うのです。2017/04/16
えるまぁ
2
防衛大学教授や第1潜水隊群指令を歴任した著者の、戦時中の回顧録。大局的見地に立てる位置まで上り詰めたがゆえなのか、なぜ日本の潜水艦がドイツ他各国のような活躍ができなかったか、という見解を入れながらの、読ませる文章だった。水がぴたぴたと滴る大正時代製造の潜水艦の話や、銃撃を受けた穴に木栓を打ち込んでの生還話など、興味深い話も多い。現場サイドから見た辛辣な批判は、日本人の欠点を考えさせられるものだった。 2012/10/27
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