内容説明
機略縦横、勇猛果敢、奇襲を得意とした辣腕参謀、権謀術数家にして独断専行狂の、日本陸軍が生んだ鬼才は、敗戦後、戦犯追求の手を逃れて潜伏逃亡をつづけ、『潜行三千里』をひっさげて流行作家となり、遂には「自衛自立」「反戦中立」を標榜して政治の舞台に登場する―驚愕の証言を得て綴る話題作。
目次
第1章 大本営の最終戦略
第2章 潜行下の極秘三者会談
第3章 起死回生のベストセラー
第4章 政界へ殴り込み
第5章 虚報の疑惑
第6章 東亜連盟の夢
第7章 北ベトナム潜入計画
第8章 石橋湛山首相の密使
第9章 周恩来首相との会見
第10章 立場を越えた独断外交
第11章 岸信介を撃つ奇襲作戦
第12章 曲がり角の1960年
第13章 全学連学生の洗脳旅行
第14章 最後の一発勝負
第15章 一匹狼の執念
第16章 蒸発の謎を解く
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ayano
2
至極個人的な感想だけど…陸軍人の(私が勝手に思っている)ステレオタイプだな、という印象。 政治の場では辻氏のような人々の心を惹きつける演説ができる人に多くの期待を抱くけれども、独断専行や根回しをせずに組織の中で動くことは最終的には良い結果をもたらさないと思う。 タイトルに失踪とあったけれど生死不明とは思わなかったので最後の方は驚きながら読んだ。 個人的には海軍一辺倒の祖父の本からこの本が出てきたことに驚いた。2015/12/06
老兵
2
参謀辻政信の姿は多くの軍記物に描かれている。だが政治家としての彼に焦点を当てた書籍は珍しいのではないだろうか。政治家辻政信の姿は、ある意味で喝采を浴びせたくなる好人物である。戦中と変わらぬ参謀節を国会においてもなお発揮し、議員の裏金疑惑を追求する様や、持論である対米自立を唱える様は、彼の人間的欠点を鑑みても憎めないものがある。2014/07/27