内容説明
幾たびか危難に際会しながらも、持てる最高・最大の能力を一瞬に発揮して勝利と栄光をかちえた海の男たちの人間物語。戦史の空白を埋め覆し、歴史の一頁に新たなる波紋を巻き起こす艦長の肉声を伝える衝撃のノンフィクション。
目次
第1部 勇者の条件(武運と幸運と〈戦艦「扶桑」鶴岡信道少将の証言〉;信頼の絆〈航空母艦「瑞鶴」野元為輝少将の証言〉;孫子の兵法〈戦艦「大和」松田千秋少将の証言〉;独創と捨て身〈軽巡洋艦「那珂」今和泉喜次郎大佐の証言〉;門前の小僧〈航空母艦「隼鷹」渋谷清見少将の証言〉;用兵の極致〈戦艦「伊勢」中瀬泝少将の証言〉 ほか)
第2部 勝者の条件(迫真の演技〈駆逐艦「長月」二ノ方兼文中佐の証言〉;成功の算〈潜水艦「伊三六」稲葉通宗大佐の証言〉;欺瞞戦術〈駆逐艦「風雲」吉田正義大佐の証言〉;強運の人〈潜水艦「伊八」内野信二大佐の証言〉;縁の下の役割〈駆逐艦「梅」大西快治少佐の証言〉ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白義
10
正・続の二冊本を一冊にまとめた完全版で、戦艦から末端の駆逐艦、海防艦まで含めた51人の艦長への貴重なインタビューを収録。当事者だからわかる裏話、臨場感溢れる語り口が魅力的な一冊。老朽艦神風対米潜ホークビルの一騎討ち、そして、戦後ホークビル艦長から神風艦長へ贈られた称賛の手紙は、手に汗握る緊迫感と爽やかな結末の余韻を残す名エピソード。また、左回避の取舵だけでレイテの激戦下、奇跡の回避術を見せた伊勢、同じく右回避の面舵だけで回避した日向両艦長が、実際には新米同然だったという証言も面白い2014/05/01