感想・レビュー
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主将ペンギン
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日本敗戦の元凶と言われた東条英機の人物伝。出生から権力者へと出世していくまでを丹念に描いてある。真面目さ、愚直さが取り柄の平凡な軍人が時勢に巻き込まれていく。日米開戦を最後まで避けようと苦心惨憺する姿を初めて知り、日本国民を焦土に追いやった戦犯というイメージが変わった。分をわきまえない国民、煽るメディア、理想の実現に手段を選ばぬ若き帝国軍人、戦争の特需を狙う財閥企業などが戦争への大きな流れを作り、誰にも止められなかった。戦争を始めるのは簡単で、止めることが難しいということがよくわかる本。2020/07/26