打撃投手

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  • サイズ B6判/ページ数 262p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784768468524
  • NDC分類 783.7
  • Cコード C0075

内容説明

ただ自らの栄光のためでなく、チームの勝利のためにひたすら投げ続けるもうひとりの「エース」がいた。人はそれを打撃投手と呼ぶ。寡黙で誇り高く、そして影なる存在のエースたち。すべての大打者の記録とチームの栄光は彼等とともにつくられた。

目次

第1章 打撃投手誕生(打撃投手とは;海外の打撃投手事情;打撃投手の歴史)
第2章 王、長嶋の恋人と呼ばれた男たち(打撃投手一号近藤隆正;タフネス田中耕一郎;打撃投手から見たONの素顔―扇原修 ほか)
第3章 現代に生きる打撃投手(エースナンバーは103番―阪神タイガース藤本修二;五三歳の打撃投手―大阪近鉄バファローズ水谷宏;腕ひとつで渡り歩く打撃投手―読売ジャイアンツ中条善伸 ほか)

著者等紹介

沢宮優[サワミヤユウ]
ノンフィクションライター。1964年熊本県生まれ。青山学院大学文学部卒業、早稲田大学第二文学部卒業。現在は大学に勤務しながら、作品を書いている。2003年1月に刊行された『巨人軍最強の捕手』(晶文社)で戦前の巨人軍の名捕手吉原正喜の生涯を描いた
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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Hideto-S@仮想書店 月舟書房

63
野球のプロリーグを有する国で〈打撃投手〉という職制を持つのは日本のみ。長い練習時間と求道者のような大打者の存在が、昭和30年代に専業の打撃投手を生んだ背景だ。川上、長嶋、王……伝説の名選手には必ずと言って良いほど〈恋人〉と呼ばれる打撃投手がいた。野球少年の夢の舞台であるプロ野球に入りながら才能が花開く事なく、100番台の背番号を背負って裏方を務める人々のドラマ。中には輝かしい実績を持つ者、甲子園優勝投手だった者もいる。アスリートとしての挫折と、好きな野球に関わっていられる幸福との間を揺れ動く男たちの記録。2015/04/22

シロー

3
元近鉄ファンとしては水谷さんや石本さんの話は面白かった。それにしてもONの裏方さんへの心配りは凄い。流石第一人者は違うんですね。2013/03/03

shellgai

3
打撃投手という仕事がアメリカにはない日本独自のものとは知らなかった。南海のエースだった藤本修二や近鉄のリリーフエース石本貴昭が引退後に打撃投手になっていたのも初めて知った。王、長嶋の恋人と呼ばれた人のエピソードや、裏方としてチームを支えているプライドややりがい、現役投手のころの打者を抑える投げ方から打撃投手になって打たれる投げ方に変わる苦労など、なかなか知る機会のない興味深い話にプロ野球にかかわる人たちの人生模様を感じた。2011/11/18

boyblue

3
打撃投手という専門職はアメリカには存在しない。野球人にとってプロ野球とは頂点。マウンドに立った人にしかわからない麻薬のようなしびれる魅力がプロという世界にはあるということなのだろう。投手として一流打者を打ち取ってみたい、まだできるのでは?という気持ちに反し、打者が打ちやすい球、打ちたい球を投げなければ若い選手に罵倒されるという矛盾。葛藤する元投手達の苦悩は表舞台には決して現れることはない。そこにそれぞれの人間ドラマがあるということは野球の魅力の証明でもある。2009/11/19

りえぞう

2
◎。あまりにも丁寧に一人一人を描きすぎていてちょっと長いというか、疲れるが、終盤あの女川のヒーロー中條君に再会できて良かった。が、こんな滅私奉公的な仕事、やはり日本特有だと思わざるを得ない。いろいろなものを捨てて来た人たち。得るものもまた少なくはないが。2021/06/02

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