内容説明
従来の軍事研究の枠を超え、政治・経済・外交にも目を広げた大戦研究の新分野を切り開く意欲的論考。
目次
提言(「歴史における勢い」について;軍事史学の課題;100号記念特集号の発刊に思う)
総論
第1篇 開戦前夜の日本
第2篇 拡大と和平の間―日中戦争
第3篇 南進の諸相
第4章 モスクワ・ベルリン・東京・セダン
第5篇 真珠湾前後
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
フンフン
5
『軍事史学』100号記念の論文集。読むに足る論文は当時軍事史学会長だった野村実と塩崎弘明、ゲルハルト・クレープスぐらいのものである。鎌田伸一の論文など、対米開戦に至る日本の意思決定が混乱に満ちていたことを「組織化されたアナーキー」として説明しているのだが、では、なぜ明治政府は合理的意思決定ができたのに、昭和期には「組織化されたアナーキー」に陥ったのか、の説明がなければ説明したことにならないだろう。私は、明治の指導者は武士出身だったのに、昭和の指導者は大学出身だったからだと思う。2021/02/15
unflyable
1
真珠湾以前の範囲で『軍事史学』に掲載された論文をまとめたもの。自分が普段読まないテーマを知るいい機会になった。問題は書いた人によってできの差が大きいことである。つまらないのは異様に時間がかかり退屈であるが、うまい人の論文は面白いがページが少なく物足りない。 結論として、悪くは無いが中古価格が異様に下がっているのは納得な本である。2016/10/15