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出版社内容情報
20世紀は戦争と環境破壊の世紀だった。人類は二つの負の遺産を清算することなく21世紀に突入している。人類は己が手で己が存在を消滅させるという軌道をなお転轍できていないのである。公害を企業の不法行為としてその加害責任を厳しく追及した日本の4大公害裁判でその先鞭をつけたのが新潟水俣病裁判であった。当時のマスコミはこぞって「世紀の裁判」と評したが、今こそその日本の公害事件の教訓をあますところなく明らかにしなければならない。
本史料集成は、新潟水俣病事件で30年にわたって弁護団の中心となり、4大公害裁判闘争の結節点で格闘してきた坂東克彦弁護士が作成・収集・使用・保存してきた史料をひろく学術研究に活用できるよう提供するものである。散逸の危機にあった膨大な史料がここに蘇った。
【本史料集成の特徴】
1 公害・環境研究の飛躍に貢献する貴重な原史料が公開される。
2 新潟水俣病事件をめぐる被害者、加害企業(昭和電工)、行政(国、県、市)や議会、支援団体、弁護団などのそれぞれの動きが克明に解明できる。
3 新潟水俣病裁判第1次訴訟の全記録が明らかになる。
4 熊本水俣病裁判についても初期の重要な動きが明らかになる。
5 60年代、70年代の日本の公害事件の状況が概観できる。
6 運動側の「会議録」や「通信」「ビラ」「手紙」などもナマのまま復元されるので当時の時代状況が多方面から総合的に理解できる。
7 4000点に及ぶ史料のすべてについて、「文書名」「文書作成者」「文書宛先」「年月日」などを作成した。重要な史料には編者が1点ごとに簡単な「解説」を付した。
8 史料リストは、CD-ROMにも収めたので膨大な史料が自在に検索できる。
【マイクロフィルム収録史料の主な目次】
1 新潟水俣病裁判第1次訴訟記録
2 新潟水俣病裁判原告側関係史料
(第1次訴訟および補償協定締結まで)
3 潟水俣病裁判第2次訴訟記録
4 新潟水俣病裁判原告側関係史料
(第2次訴訟以後)
5 坂東克彦(弁論・論文)関係
6 新潟水俣病裁判被告側関係史料
7 新潟水俣病裁判行政側関係その他の史料
8 熊本水俣病関係史料
9 全国の公害事件をめぐる動き
10 新潟水俣病関係資料目録
【冊子十CD-ROMの内容】
1 刊行のことば
2 現代日本の公害と新潟水俣病
3 収録史料一覧(編者による史料短解説、リール番号、コマ番号付)
4 CD-ROM(キーワード、文書作成者、年月日等から全史料を検索できる)など