出版社内容情報
考現学の祖・今和次郎が,1930年から翌年にかけてヨーロッパ・アメリカを視察旅行したときの未発表記録。〈考現学の眼〉で見た欧米の風俗を「夫人宛て絵葉書き」367通と「紳士淑女以外」と題されたカラー・スケッチ32点で構成。
内容説明
考現学の祖今和次郎が見た欧米の庶民とその生活。
目次
欧州紳士淑女以外(人物スケッチ;看板・標識その他)
今和次郎見聞全行程
絵葉書通信(考現学者初めて海を渡る;パリの街を徘徊する;「紳士淑女以外」に着手する;ドイツを経て北欧へ向う;考現学者ライカを武器にする;博物館をめぐる;再びパリに帰る;美しい風景に酔う;アメリカ大陸を経て帰国する)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Nobuko Hashimoto
18
考現学の今和次郎が、1930(昭和5)年3月から10か月間、欧州とアメリカを視察旅行した際に家族に出した350通あまりの絵葉書と、写真、スケッチをまとめたもの。仏を中心に、英、独、北欧、東欧、伊などを巡っている。第一次大戦後の欧州の様子がわかって面白い。パリが随一の都会で中心、独は几帳面で硬い感じ、伊ではファシズムが勢いを増していて活気があった様子。博物館などを精力的に回り、投函した以外にも大量の絵葉書や書籍を集めている。食事などの細かい記録も楽しい。最後の方は飽きてきたのか記録が極端に少ない。2022/03/03