内容説明
人間たちと友達になりたいという赤おにと、赤おにの願いを叶えるために悪者になった青おにの思いやりを描いた代表作「泣いた赤おに」をはじめ、「お月さまのごさいなん」「たましいが見にきて二どとこない話」など、文庫初収録の作品まで、子どもから大人まで愉しめる全20話を収録。やさしさと思いやりに満ちた“ひろすけ童話”アンソロジー。
著者等紹介
浜田廣介[ハマダヒロスケ]
1893年、山形県生まれ。早稲田大学在学中、大阪朝日新聞の懸賞新作お伽話入選を機に、児童雑誌「良友」に寄稿をはじめる。卒業後、「良友」「幼年の友」編集者となるが、1923年より執筆に専念し、児童文化賞、野間文芸奨励賞、文部大臣賞など、数々の賞を受賞。代表作「泣いた赤おに」「むく鳥のゆめ」「りゅうの目のなみだ」をはじめ、千篇余りの童話、童謡を残した。1973年、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ナチュラ
22
「泣いた赤おに」が有名な浜田広介さんの童話集。 ハッビーエンドではない作品が多いが、とても心に響く物語だった。 【日本のアンデルセン】と呼ばれている理由がわかる。 五匹のヤモリ、よぶこどり、豆がほしい子ばと、町にきたばくの話 などが印象的。 大人向きの童話2017/09/25
qwer0987
10
浜田廣介と言えば『泣いた赤おに』。読み物としては満足できる内容なのだけど、これがいい話と見られていることには疑問を感じた。赤おには人間と仲良くなったけど、代わりに青おにも失い良心も傷つくわけで、それを良しとすることはどうしてもできない。赤おに、青おに双方の善意がちぐはぐなまますれ違っているようにも見え、非常に残酷な話と感じた。その他の作品では『五ひきのやもり』が好き。運命に翻弄される弱きものって感じの話だが、家族のきずなを感じさせるのが胸に響いた。2024/03/16
Erina Oki
9
泣いたあかおには大人が読んでも考えさせられる話。この作品集はハッピーエンドばかりじゃないのにどこか優しさを感じるものばかり。人生ってこういうものなのかも。2013/03/24
timeturner
5
すべてがハッピーエンドではないし、かなり切ない気持ちにさせたり、答えが出ないものもある。でも、こういう童話を読んで育った子どもたちは、善き人として生きる道をいつまでも心の隅で問い続けるかもしれない。2014/05/14
あこ
3
豆が欲しい鳩をみつめるおじいさんの目が優し過ぎる。あと平九郎とカッパのカッパ。良いキャラクターだ。2012/04/08