倫理としてのナショナリズム―グローバリズムの虚無を超えて

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  • サイズ B6判/ページ数 285p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784757140912
  • NDC分類 304
  • Cコード C0030

出版社内容情報

「市場・国家・自由・倫理」―現代社会の枢要なテーマを統合的に論考したグローバリズム批判の傑作!

内容説明

制御なき市場中心主義に歯止めをかけうるもの。リベラリズム・個人主義にもっとも欠けているもの。それは、「倫理への問いかけ」である。「市場・国家・自由・倫理」―現代社会の枢要なテーマを統合的に論考した、グローバリズム批判の傑作。

目次

序章 市場中心主義とその批判(「安定」と「平等」を失った日本社会;構造改革を後押しした二つの観念 ほか)
第1章 「自由」と「平等」のゆくえ(中間層は解体したのか;「ポスト工業化」における倫理の変容;アフター・リベラリズムの倫理)
第2章 倫理を問う語法(倫理をめぐるアンビヴァレント;九〇年代グローバリズムの本質;リベラリズムの背後にあるもの)
第3章 グローバル資本主義の文化的矛盾(グローバル市場の「問題」;西欧近代主義の帰結としてのグローバリズム;グローバリズムの文化的次元;グローバリズムとニヒリズム)
第4章 倫理としてのナショナリズム(グローバル経済と国民国家;市場主義というイデオロギー;グローバリズムがもたらす社会の亀裂;シヴィック・ナショナリズムという自覚)

著者等紹介

佐伯啓思[サエキケイシ]
1949年奈良県生まれ。東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。京都大学人間・環境学研究科教授。専攻は社会経済学、経済思想史。著書に『隠された思考』(筑摩書房、サントリー学芸賞)、『「アメリカニズム」の終焉』(TBSブリタニカ、東畑記念賞)、『現代日本のリベラリズム』(講談社、読売論壇賞)など多数がある
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tetsu

14
★4 論文をまとめて本にしたものなので、新書より難解。アメリカのトランプ大統領とかフランスのルペンさんとかナショナリズム色が濃い印象だけど、グローバル市場の問題点などを考えると確かに納得できる面もある。国家や自由、倫理など、幅広い視点でじっくり考えることが必要なのでしょうね。2017/05/06

さきん

9
リベラリズムとグローバリズムが進展した現代社会そこでは、中間層が解体し、「自由」や「平等」の根拠があやしくなった。また、出生前診断にせよ、援交にせよ、全てが自由の名の下「個人の選択」に委ねられるようになった。そのため、「倫理的な問いかけ」への関心が急速に高まって いるにもかかわらず、倫理的回答を出すことができないという事態に陥った。著者によれば、こうした事態が起こる背景には、制御なき「市場中心主義」と、それに歯止めをかけるに無力な「現代的リベラリズム」という二つの進展が大きく関係している。2015/08/17

sayan

2
面白かった。感想は後ほど。2016/05/24

Ishida Satoshi

1
読了。リベラリズムとグローバリズムが進展した現代の事象に対して、批判的立場に立ち、倫理なきリバタリアニズムと経済至上主義を考察。多国籍に展開し、倫理的良し悪しを回答する前に、一瞬にして巨万の富を稼ぐグローバル資本は、国や地域といったコミュニティには関心を払わず、衰退させていくと説きます。グローバリズムを批判的に読み解くといった展開は、今となっては目新しいものではないものの、グローバル市場と地域経済、コミュニティを媒介するような、地に足のついた判断基準の復権を求めようとしています。ブレーキの効きにくい市場中

抹茶ケーキ

0
リベラリズムは価値中立を自称するので、その理念が支配的になった現代では、グローバリズムなどによる市場の支配に対抗する理論的立場が存在できなくなっており、人はその中でアイデンティティの不安にあえいでいる。それに対抗するために、ナショナリズムのような、個人のアイデンティティを確保できる倫理の再生が必要である。みたいな主張。ナショナリズムとコミュニタリアニズムが混同されているように感じる。それらは似ているかもしれないし、機能としては等価ですらあるかもしれないけど、完全に同じものではないのでは。2017/05/08

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