出版社内容情報
祖国北朝鮮の農業発展に寄与すべく、一年半にわたって尽力した同胞農業技術者が、あまりにも悲惨な現状に絶望。金日成親子指導の不合理極まる「主体農法」の構造と、苛酷な労働条件下で疲労困憊の極に達した農民の惨状を暴露する。同胞愛と科学精神が生んだ衝撃のレポート。
一言で言って、『ホントにこんなことやってるの?』でした。正直、信じられませんでした。でも、読み進めていくうちに事実としか思えなくなってきたのです。
そう考えてみると、金大中大統領が訪朝のとき、あのときのごちそうはどこから来たのか?…ますます謎は深まるのです…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ataka
1
池上彰の「そうだったのか! 現代史」で北朝鮮の農業事情の引用として使われている。在日朝鮮人の筆者が、北朝鮮を訪れた際に見聞きして自分の意見を加えたレポート。統一日報に 1987.9.8-1988.3.19 に渡って連載したものに加筆修正を加えたもの。1989 年初版。今から 30 年弱前の北朝鮮の農業事情の厳しさを知ることが出来る。今の北朝鮮は当時よりもマシになっているのか? 他国のことながら心配になる。2012/08/29
ねむ
0
共和国で行われる独創的な「主体農業」を片っ端から論破していくが、農業に全く見識のない自分にも分かりやすく読み進めることができた。かといってこれは農業だけを専門にした本ではなく、不作が構造的になぜ発生しているのか、という点についても詳しく了解することができる。 この本が出版されたのは89年、筆者が共和国で見聞きした内容も80年代のもの。30年以上経た現在はどのような様子となっているのかが気になる。2021/06/18