世界歴史叢書<br> 民衆のアメリカ史〈上巻〉1492年から現代まで

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世界歴史叢書
民衆のアメリカ史〈上巻〉1492年から現代まで

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  • サイズ B6判/ページ数 684p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784750320557
  • NDC分類 253
  • Cコード C0322

出版社内容情報

コロンブスによる「発見」以後の北米の歴史を、支配するマジョリティの側からではなく、「民衆」の側からとらえ直す。有色人種、女性、マイノリティの目にアメリカの歴史はどう映るのか。上巻は1492年・独立・南北戦争を経て第1大戦参戦前まで。

日本語版への序文
日本語旧版(一九八二年)への序文
第1章 コロンブスとインディアンと人間の進歩と
 黄金の幻影/ラス・カサスの証言/歴史をどう見るか/南北アメリカで行なわれたこと/すぐれたインディアンの文化
第2章 人種境界線(カラー・ライン)を引く
 奴隷船、ヴァージニアに着く/アフリカからアメリカへ/奴隷化への抵抗/反乱への絶えざる恐怖
第3章 下積みのひどい状態にあった人たち
 ベーコンの反乱/みじめな年季奉公人/広がる貧富の差/抗議する民衆/既成事実となった人種差別
第4章 暴政は暴政だ
 増大する植民地の富/富める者への怒り/印紙税法反対暴動/反イギリス闘争の指導者たち/独立宣言と民衆
第5章 革命に似て……
 ワシントン軍の兵士たち/下層階級の反乱/独立革命の階級性/排除されるインディアン/新国家のなかの民衆/シェイズの反乱/憲法をめぐる論議/言論の自由のゆくえ
第6章 人目につかない抑圧
 開拓初期の女性/女性の従属的地位/反抗者たち/女性らしさの礼賛/初の女性労働者のストライキ/束縛に抗して/奴隷制廃止運動と女性/公正な世界に向かって
第7章 草が育ち川が流れるか教育/流れ込む新移民/一八八六年の蜂起/南部の労働者/プルマン・ストライキ/農民の大連合/高揚するポピュリズム/人種問題とポピュリスト/ポピュリズムの崩壊
第12章 帝国と民衆
 海外市場への期待/キューバ革命と実業界/アメリカ=スペイン戦争と労働者/キューバに群がる商売人/フィリピン問題/黒人兵士の悩み
第13章 社会主義者の挑戦
 文学者たちの体制批判/搾取工場/AFLとIWW/IWWの闘争/ローレンスの勝利/労働運動から社会主義運動へ/女性の社会主義者/女性解放主義の発展/団結する黒人/「革新主義」の時代/改革運動の本質/アメリカ史上最大の争議
地名・事項索引
人名索引

日本語版への序文
 私は自分の本を日本の皆さんに紹介することができて幸せに思います。私は日本における平和と正義を求める運動と長期にわたって交流してきました。その交流が始まったのは、一九六六年六月のことで、そのとき私はアメリカ南部における人種差別反対運動にともに携わってきた友人ラルフ・フェザーストーンと一緒に招かれて日本に来ました。招いてくださったのは、ベ平連でした。ベ平連は私たちと同様に、ベトナム戦争に反対していた日本の市民のすばらしいグループでした。私たちは札幌から沖縄まで日本国中をまわり、一三の都市で講演してベトナム戦争とアメリカ合衆国における反戦運動について語りました。
 その年の夏に、私は妻や幾人かのアメリカ人と一緒に、広島の原水禁世界大会に招かれました。それはとても感動的な経験でした。世界中の核兵器の廃絶に向けて闘うことを約束して、多くの国ぐにの人びとが参集し、その経験をともにしました。
 そのとき以来ずっと私は日本の友人たち、とくに倦むことを知らない人権の唱道者小田実や、生涯一貫して平和と正義にかかわってきた有能な編集者森和子とも交流してきました。
 私は本書がこのような大義のために役立つ決されなければならない場合に、問題が解決されるのはどの場合でも、政府の先導によってではなく、市民――それも組織をつくり異議を申し立て、なにか重要な変化がおこるまであくまでもやり抜く市民――の犠牲によってであることを、私は明らかにしています。このことは、アメリカ史のなかから出てくる教訓ではなく、日本をふくむあらゆる国の歴史から出てくる教訓です。
 私はこの歴史書が、人びと、とりわけ来るべき世代の若い人びとが、戦争に反対し、軍国主義に反対し、人種的不正義に反対し、男性優位に反対する闘いに、また先住民の権利のための闘いや、きれいな地球のための闘いに立ちあがるきっかけとなるようにと念じています。
 私は本書を私の孫たちだけでなく、日本の子どもたちにも献呈したいと思います。

二〇〇四年冬
ハワード・ジン

目次

コロンブスとインディアンと人間の進歩と
人種境界線を引く
下積みのひどい状態にあった人たち
暴政は暴政だ
革命に似て
人目につかない抑圧
草が育ち川が流れるかぎり
われわれは征服によって何一つ奪っていない…万万歳だ
服従なき奴隷制、自由なき解放
もう一つの内戦
強盗貴族と反乱者
帝国と民衆
社会主義者の挑戦

著者等紹介

猿谷要[サルヤカナメ]
東京女子大学名誉教授

富田虎男[トミタトラオ]
立教大学名誉教授

平野孝[ヒラノタカシ]
元お茶の水女子大学教授。1992年没

油井大三郎[ユイダイザブロウ]
東京大学大学院総合文化研究科教授
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感想・レビュー

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Miyoshi Hirotaka

21
米国は好戦心を縦糸に,愛国的熱情を横糸にして拡大してきた織物のようなもの。しかし、「いつか誰かを暖めうるかもしれない」という優しさは一片もない。移民開始以来、流血の惨事が繰り返されてきた。イギリスからの独立で宣言された「生まれながらに平等」は狭義では、北部白人男性。インディアン、黒人、南部13州、女性はその範囲外で横糸として追加された。内部抗争で引き裂かれた民衆に一致した戦闘目標を作り出そうとするのは米国という体制が自己の生存のために本能的に反応するメカニズム。ヒーロー中心の歴史とは全く違う側面が見える。2017/08/12

numainu

1
評価B2004/06/20

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