不可触民とカースト制度の歴史

不可触民とカースト制度の歴史

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  • サイズ B6判/ページ数 280p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784750308548
  • NDC分類 362.25
  • Cコード C0022

出版社内容情報

インド社会を特徴づけるカースト制度。その複雑な構造を成立から現在に至るまで通時的に解説。叢書『カースト制度と被差別民』の研究成果を踏まえたカースト制度の決定版通史。

序 「ヴァルナ=ジャーティ制」としてのカースト制度
1 カースト制度形成への過程
 一 古代インドのヴァルナ制
 二 カースト制度の形成へ
2 中世カースト制社会の構造と動態
 一 カースト制的序列関係
 二 カースト集団の構造
 三 両義的存在としての不可触民
 四 カースト制度と国家
3 植民地支配下のカーストとカースト制度
 一 「ヒンドゥー法」とヴァルナ制
 二 「カーストの自治」政策
 三 インド社会の「カースト化」の進展
 四 不可触民と不可触民解放運動
4 独立後のカースト制度と不可触制
 一 法制改革とカースト制度
 二 留保政策(リザベーション)とカースト

目次

1 カースト制度形成への過程(古代インドのヴァルナ制;カースト制度の形成へ)
2 中世カースト制社会の構造と動態(カースト制的序列関係;カースト集団の構造 ほか)
3 植民地支配下のカーストとカースト制度(「ヒンドゥー法」とヴァルナ制;「カーストの自治」政策 ほか)
4 独立後のカースト制度と不可触制(法制改革とカースト制度;留保政策(リザベーション)とカースト)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

テツ

24
現代においてもインドではカースト制度に基づき生まれにより身分や職業を区別している。現代社会の一般的な価値観(嫌な言葉だな)から眺めたらとっとと無くしたほうがよいとしか思えないけれど、どんな社会的なシステムにもそれが生まれた経緯があり、歪で理不尽ながらもその上で人々の営みの全てが培われてきた歴史がある。世界に山ほど残っている歴史と観念にこびりついた呪いをまずは知ること。そのシステム全体を、成り立ちを、運用方法を、功罪を知ること。知識を積み重ねなければ軽々しく賛否を表明できないし、破壊することもできない。 2019/10/08

Arte

1
すげえ分かりやすかった。カーストと言えばバラモン・クシャトリア・バイシャ・シュードラ&不可触賤民で分けられると思っていたけど、そもそもが同じような仕事をする、血縁でつながっている集団があり、どの地方の集団かでも習慣が異なり(同一カースト以外で結婚できたりできなかったり)、新しい生業ができて分裂したり、他のカーストとくっついたりもし、クシャトリアに所属するかシュードラに所属するかで何百年も争っているカーストがあったり、不可触民も元々山の民で砦での警護が仕事だったり、不可触民じゃないとできない祭祀があったり。2018/09/03

in medio tutissimus ibis.

0
古代には未発達だったヴァルナ=ジャーティ制は紀元7-12世紀、諸賎民層を第五のヴァルナとして捉える考え方と共に、ラージプートのクシャトリア自称によって所属ヴァルナへの自覚が促されたことで形成された。中世においてこの結婚と共食を紐帯とする地域社会の身分制は社会から生み出されたが、自前の身分制を生み出せない国家により利用された。イギリス植民地支配はその自治能力を利用しようとしたこと、現実と合致しない「ヒンドゥー法」による諸ヴァルナ間に差別を設けたことにより、社会を更なるカースト化に導き、不可触民差別を放置した2021/02/05

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