内容説明
いつの世も、人は誉められると嬉しいものである。寛政改革には庶民教化策として善行者を書上げた「孝義録」が刊行された。その表彰者の群像を通して、庶民生活の諸相と為政者からみた期待される人間像を浮彫りにする。
目次
『孝義録』の世界―プロローグ
家と孝行者
忠孝と和
「奇特者」の姿
『孝義録』を彩る女性たち
表彰の意味するもの―エピローグ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
のりたま
2
『官刻孝義録』は柴野栗山のすすめを受けて松平定信が林大学の頭以下の学問所の関係者に命じて作成させたもので、享和元年(1801)に刊行された。全50巻、8600人の善行者が掲載され、759件900人余については伝文がつけられている。本書はその『孝義録』の伝聞のいくつかを現代語訳で紹介し、解説したものである。凶年に際して人を救った事例が多いが、百姓や町人や寺僧の中で、裕福な者の類は、しばらく省略する(凡例6条)とあるらしいのが興味深い。2025/11/28
印度 洋一郎
2
寛政の改革の時代に、幕府が開幕以来約200年間の表彰された8000人以上の庶民の記録を編纂した「孝義録」をひも解きながら、当時の庶民の生活や、支配層が期待する「模範的庶民」像を探る。当時の庶民の模範とは「孝行」「忠義」「貞節(女性の場合)」に尽きる。目上の者には無条件に従い、自分の分をわきまえ、勤勉に働く、ということ。親の意向を優先して、妻を離婚したり、今の価値観からすると共感出来ないものも結構ある。この「考義録」編纂の理由は、庶民が段々自己主張をするようになった事の裏返し、という著者の指摘はなかなか鋭い2012/01/17




