内容説明
万里集九。室町末期の臨済宗一山派の禅僧。五山文芸の後期に活躍した悲運の文人で、漢詩文集『梅花無尽蔵』を残す。近江に生まれ相国寺で修業、旺盛な文学活動を始めるが、応仁の乱で美濃に逃れ、還俗して妻帯し、荒廃した世相に堪えて文学に対する執心を堅持した。太田道灌の招きで江戸を訪ねるなど、幅広い足跡と波瀾に富む生涯を禅林文芸を交え活写する。
目次
誕生と出自
東福寺に入る
相国寺に修業す
応仁の乱を江左に避く
竜門寺に入る(禅源寺隣扉に仮寓す)
鵜沼に居を移す(還俗の前後)
南豊山承国寺
市隠老人との交友
講詩―『天下白』ほか
長男千里瑞翼の死〔ほか〕