出版社内容情報
中国地方に霸を唱え、最盛期には11カ国を支配したとされる戦国大名尼子氏。しかし秀吉による天下統一以前に滅亡したため史料が伝わらず、いままでその姿は近世の軍記物などによって推定されてきた。地元に残る史料を丹念に収集し、支配の実態や盛衰の時期など、初めてその実像を描き出す。戦国期守護論や大名領国制論にも一石を投ずる注目の書。〈主な目次〉序論(問題の所在/戦国期研究と尼子氏/史料に対する基本姿勢)/Ⅰ=尼子氏権力の実像(戦国期出雲国における大名領国の形成過程/戦国期大名権力の形成―尼子氏による出雲国奉公衆塩冶氏の掌握と討滅/尼子氏による他国への侵攻/尼子氏の美作国支配と国内領主層の動向/河副久盛と美作国倉敷江見久盛)/Ⅱ=尼子氏権力の性格(南北朝・室町期における杵築大社と守護権力/戦国期大名権力による杵築大社の掌握と改編/中世都市杵築の発展と大名権力―16世紀における西日本海水運と地域社会の構造転換)/結論(尼子氏権力の実像とその性格/戦国期大名権力の歴史的位置/あとがき
内容説明
中国地方など11ヵ国に君臨したとも言われる戦国大名尼子氏。戦国動乱の中に滅亡したため実態は不明であった。残された史料を丹念に収集し、初めてその実像を描き出す。戦国期守護論や大名領国制論にも一石を投ずる。
目次
序論
第1編 尼子氏権力の実像(戦国期出雲国における大名領国の形成過程;戦国期大名権力の形成―尼子氏による出雲国奉公衆塩冶氏の掌握と討滅;尼子氏による他国への侵攻;尼子氏の美作国支配と国内領主層の動向;河副久盛と美作倉敷江見久盛)
第2編 尼子氏権力の性格(南北朝・室町期における杵築大社と守護権力;戦国期大名権力による杵築大社の掌握と改編;中世都市杵築の発展と大名権力―16世紀における西日本海水運と地域社会の構造転換)
結論
著者等紹介
長谷川博史[ハセガワヒロシ]
1965年島根県に生れる。1988年広島大学文学部史学科卒業。1994年広島大学大学院文学研究科博士課程修了。現在広島大学文学部助手、博士(文学)〔主要編著書〕『古代文化叢書3富家文書』(共著、島根県古代文化センター、1997年)『出雲古志氏の歴史とその性格』(古志史探会・古志公民館、1999年)『靹の浦の歴史』(共著、福山市教育委員会、1999年)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。