目次
序論 明代の対外方針(明代の外国貿易;明朝の海禁政策)
第1編 明代前期―朝貢貿易と海禁政策(明初の日中関係をめぐる二、三の問題;永楽帝の対外政策と日本;明代中期の対外政策の推移と日中関係;明代の琉球と中国との関係;明代前係をめぐる2外的影響)
第2編 明代後期―中国海商の密貿易と倭寇(明代海外私貿易の歴史的背景;嘉靖海寇史考;王直と徐海;中国嶺南海域の海寇と月港二十四将の反乱;明代後期における〓州の海外貿易)
終論 明・清時代の東アジアの対外関係
感想・レビュー
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tnk
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なぜ海禁下に密貿易が隆盛するのか。本書では密貿易の構造を、中国の郷紳層(&従属する商人)と外国商人を密貿易商が取り結ぶものとする。この吏僚層との結託があってこそ、密貿易は貿易の主流になりえた。 また、福建の自然条件ゆえ密貿易は必然だったとする。当地は耕地に乏しく、必需品の輸入にも、代価を得るための輸出にも海上交易が不可欠であった。政治的理由による海禁は福建の経済的理由ゆえに守られるはずがなかった。 日中交流史の理解には、中国の事情を踏まえることが肝要であることを認識させられる。2019/01/31