内容説明
西欧の中でも、フランスほど政治の彩りの鮮やかな国はない。そのフランスで、８８年大統領選挙を前に、新たな胎動が始まった。大学改革法案に反対する学生運動、賃金抑制に反対し、職場の自由化を求める労働者のストライキ。保守陣営内部の動きも活発化している。保革「同居」はどこへ行くのであろうか。政治風土、政治過程、政治構造などを具体的に紹介し、フランスの政治読み解くキーワード、「権威主義的集権主義」と「直接民主主義」、「ナショナリズム」を浮かび上がらせた本書はまた、フランスのみならず現代政治全般の抱える問題を明らかにする。
目次
序章 フランスの政治風土
第１章 戦後フランスの政治（第５共和制とドゴール主義；ミッテラン政権と現代政治；ポンピドーと「新社会」；ジスカル・デスタン、歌のない勝利）
第２章 統治と権力の構造
第３章 現代フランスの地方自治
第４章 フランスの都市政治
第５章現代フランスにおける計画化と参加（ミッテラン政権の初期の改革と「人民戦線」；計画化と労働組合）
終章 保革「同居」のゆくえ
