イギリス二大政党制への道―後継首相の決定と「長老政治家」

イギリス二大政党制への道―後継首相の決定と「長老政治家」

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  • サイズ A5判/ページ数 272p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784641049697
  • NDC分類 312.33
  • Cコード C3031

内容説明

名誉革命に源を発するイギリスの二大政党制は、1840年代までにそのかたちを整え、1860年代半ばに確立したと考えられる。この間イギリスの政党政治は、18世紀的貴族政治から、20世紀的大衆民主政治へと移行する。しかし、その過渡期ともいうべき1850年代には、未曾有の経済繁栄期を迎える一方で社会全体が保守化し、議会内がいくつもの党派に分裂して、選挙法改正のような改革の動きも沈滞する。さらに、国王の影響力が弱まり、内閣危機に際しても後継首相を選定できない事態が生じてしまう。こうした時、後継首相を女王に奏薦し、危機を回避しえたのが、ウェリントン公爵とランズダウン侯爵という二人の「長老政治家」であった。本書は、新進気鋭の研究者が、後継首相の決定過程に焦点を当て、「政党政治の母国」において二大政党制が確立してゆく過程を考察する。

目次

序章 1850年代政党政治史研究と問題の所在
第1章 1850年代の政党政治史的意味
第2章 1830~40年代の内閣危機
第3章 1851年内閣危機とウェリントン公爵
第4章 アバディーン連立内閣とランズダウン侯爵
第5章 二大政党制の確立と「長老政治家」の退場
第6章 20世紀の長老政治家
終章 イギリス政党政治における「長老政治家」

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

伊藤直起

2
本書は英国の二大政党制の成立する歴史的過程を追ったもので、各党派の離合集散や君主の対応などの複雑な動きを比較的わかりやすく解説している。 本書はウェリントンやランズダウンといった「長老政治家」に重点を置いて書かれており、バジョットの示す君主の超党派的振る舞いを、長老政治家たちも君主を助けるような形で行っていたことがわかる。日本の元老を思わせる。 本書を読んで、ウェリントンが好きになった。2021/01/25

Fumi Kawahara

1
正直、細かいことはよく分からんが、概要として、英国もまた、立憲君主での議会制民主主義でマズイことありーの、組閣がなかなかできなっかっりしーの、そんな色んな経験を積んで、長い歴史を踏んで今の政治形態が出来上がって行ったんだなー、と・・・一朝一夕にやってのけられるもんじゃないんですね、議会制民主主義って。法律として明文化されていない慣習や伝統、同じ文化の中で育ってきたからこそ通じ合う、「暗黙の了解」的空気・・・互いに叩き合い、非難し合う米国とはまた違った、二大政党制が読み取れる・・・ような気がするw2013/10/01

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