内容説明
本書は、このドナウ川に面した、あるいはそれに密接に関連した地域の歴史を「ドナウ・ヨーロッパ史」として記述するものである。この地域の歴史は、オーストリア史、ハプスブルク帝国史、チェコ史、スロヴァキア史、ハンガリー史などで積み上げられてきている。それらの成果をいかして通史としてまとめている。
目次
序章 ドナウ川の繋ぐ世界
第1章 ドナウ・ヨーロッパの形成
第2章 繁栄と危機
第3章 ハプスブルクとオスマン
第4章 ハプスブルク家支配の確立
第5章 「長い十九世紀」の分水嶺
第6章 二重制の時代
第7章 第一次世界大戦と国民国家の形成
第8章 第二次世界大戦と民主主義
第9章 冷戦の時代
第10章 新しいドナウ地域
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
coolflat
15
52頁。ボヘミア・モラヴィアでは、既に12世紀からチェコ人即ち従来のスラヴ系による内部植民が進められていたが、13世紀に入ると、西欧特にドイツから多数の植民者を招いて広範な開発が進められた。植民は有力貴族によって推進され、各地に広大な所領をもつ貴族層が形成された。植民運動は14世紀前半まで続いたが、その結果ボヘミアとモラヴィアでは国境沿いの地方や都市などを中心に、ドイツ人が多数を占める地域が形成された。東方植民はボヘミア・モラヴィアとドイツの文化的繋がりを更に強め、特に都市ではドイツ語が有力な言語となった2022/11/28
扉のこちら側
11
初読。この歴史書シリーズは今回初めて読んだ。国家が興り、倒れ、また興り…という過程の不思議。過去の相互対立を乗り越えていった歴史。2012/11/08
てり
1
オーストリア、チェコ、スロヴァキア、ハンガリーを扱う。バルカン史でもそうだったが、ソ連陣営に取り込まれた各国もそれぞれ違った事情を抱えていて改めて勉強になった。同シリーズの他のヨーロッパ地域も読まないと。2023/03/23
カシュウ
1
オーストリア、ハンガリー、チェコ、スロヴァキアの通史です。本書は各章ごとにその時代の概略、次いで各国の歴史を記述していく形式を採用しています。山川の各国史はそれぞれの本ごとに本の構成が異なっていたりするので、この本の構成を理解して読むとより理解しやすく読めると思います。全体的に山川の各国史は優れた歴史の本ですが、この本も良い通史です。
陽香
1
199903302012/03/02