出版社内容情報
身のまわりの風物、わが師・わが友、科学について等、ノーベル賞科学者による洒脱なエッセー。
内容説明
ノーベル物理学賞にかがやく著者がおりにふれ、身のまわりのこと、「わが師・わが友」、ボロ家の楽しみ、人間・社会・科学についてつづった酒脱なエッセー集。子どもの世界や若き日の研究生活をかたったエッセーには著者独自のたくまざるユーモアと上質の叙情があふれている。子どもの鏡あそびのように自由な気持ちでこっそり書かれたこれらのエッセーは読者を、思わぬ発見へ、また親しみ深い大人の世界へと導いてくれる。物理学の世界と秀れた文学の稀有の結合といえよう。
目次
ボロ家の楽しみ
子どもの情景
わが師・わが友
鏡のなかの世界
人間・社会・科学
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
9
著者のノーベル賞受賞の年(1965)に刊行された本書は、湯川秀樹『本の中の世界』(1963)を呼応するようなエッセイ集だが、書物に自己を照らし出す湯川と異なり、著者は家、子供、師、友人、社会に自己を照らし出す。著者は2つの鏡の一辺同士を合わせて立て、本を開くように角度を変える「鏡あそび」の方法をエッセイの手法に用いたようだ。合わさった鏡の角度の違いで鏡の前のモノは鏡の中で増減し(90度では4つ,30度では9つ)、モノの映る角度も変わる。そのように、物理学者は身の回りを角度と光の反射を変えて覗いたのだろう。2022/04/09
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