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日本語はどこから生まれたか―「日本語」・「インド=ヨーロッパ語」同一起源説

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  • サイズ 新書判/ページ数 278p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784584120866
  • NDC分類 810.29
  • Cコード C0281

内容説明

最新の遺伝子研究によれば、現代のヒトの起源は今から一五万年から二〇万年前のアフリカ中北部にさかのぼり、言語の起源もひとつの祖語に収斂すると考えられる。実際に、日本語をできるだけさかのぼってみると、古印欧語(インド=ヨーロッパ語)と驚くほど構造が似ていることがわかる。従来のような語彙の比較に終始するのではなく、言語の根本特徴に着目して比較すれば、原日本語も古印欧語もユーラシア大陸でつながっていた時代が確実に想定できるのである。のみならず、これまで別領域と考えられていた、言語系統論と言語起源論の融合の可能性さえ見えてくる。

目次

第1章 声の日本語、文字の日本語―神々は歌ふ
第2章 文法的数と人称―印欧語の場合
第3章 印欧語からみた日本語の複数
第4章 人称代名詞とはなにか
第5章 格助詞の起源
第6章 名詞文と日本語
第7章 日本語動詞の形成―「来」と「為」の場合
第8章 否定の形成

著者等紹介

工藤進[クドウススム]
1940年、秋田県生まれ。東京教育大学卒業(言語学)。同大学大学院博士課程中退(仏語・仏文学)。1966‐68年、ポワチエ大学留学(南仏語・フランス史)。明治学院大学教授・リモージュ大学客員教授。明治学院大学では、学部で言語論、大学院でフランス語フランス文学を講じる。1996年から、祖語研究に関するフランスとの共同研究誌『東西』(仏文・年刊)の共同編集者
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感想・レビュー

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結城あすか

1
はっきり言って、人類の共通言語に基づく日本語の起源を求めるなら印欧語だけじゃなく、それ以外の多くの言語とも同様の比較検討が必要だと思うし、それをやってないからって部分的な成果だけで日本語・印欧語の同一起源説なんて言われても、胡散臭いとしか思えないにょ。ま、この本を読んで単純に日本語と印欧語が同一起源だなんて信じるやつはいないだろうと思うけど、中身を読まずにタイトルや帯の煽り文句だけで信じるようなやつは注意が必要だろうにょ。2007/03/26

アンゴ

0
★★★★☆ フランス文学の専門家が印欧古語の研究と日本古語の研究を猟渉し、縄文時代の日本語の祖語と印欧祖語の共通点を探訪する。著者は秋田出身のため、アイヌ語や上代日本語の発音につながる音韻感覚を持ち、サンスクリットとアイヌ語、琉球語の比較など、大家の先行研究を検討し、独自の見解を展開する。「否定は肯定の姿を変えたもの」とか、来るが此処のコから生まれるなど動詞は名詞や指示詞が変化したもの、数詞は双数モロを基本に単数概念カタが生まれ、複数概念発生して取り込まれたなど、筆者の言語観に基づく納得できる例が多数。2023/03/07

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