内容説明
大好きな着物の衣ずれの音のこと、祇園の懐かしい宿のこと、山本夏彦さんの鳶色の瞳のこと、そして母が描いたうさぎの茶碗のこと。四季折々の茶席のはなしから、日本語や歌舞伎・文楽まで、やわらかに、日本の「琴線」に触れる、三七篇のエッセイ。
目次
第1章 茶席のはなし(春の茶席;お茶席の和紙 ほか)
第2章 着物、衣ずれの音とともに(季節をつれて;着物で銀座の街を歩く ほか)
第3章 日本の色かたち(日本の唄;いただきます ごちそうさま ほか)
第4章 旅さきの感応(右近さん;割烹という粋 ほか)
著者等紹介
有吉玉青[アリヨシタマオ]
作家。1963年東京生まれ。早稲田大学哲学科、東京大学美学藝術学科卒業。ニューヨーク大学大学院演劇学科修了。母・佐和子との日々を綴った「身がわり」により坪田譲治文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よつ葉
41
表題作「雛を包む」。人形を片付けるときの詰め物に、習字の練習した半紙を使う。一年後に感じる心身の成長。想いも一緒に「雛を包む」って素敵な事だな。子供の成長を見守るってそういうことなんだと改めて気付いた。日々の雑多なことに追われがちだけど、節句で心を止めて、振り返って確認していく。娘の日なんだけど、娘の親である事を喜ぶ日でもあるんだなぁ。なんか忘れてた事を思い出した気分です。今日がこの日で良かった。3月3日 お雛のおまつり。2017/03/03
だんご
2
お茶のこと、旅のこと、あちこちで書かれたものを綴りとめたエッセイ。あふれるような、たおやかな日本語が美しいです。戦後生まれで、母の有吉佐和子さんの背中を追い、日本人らしさを追い求める箇所がいくつかありますが、追いかけるうちに、日本の文化の真髄を踏みしめていらっしゃる。2014/11/15
Kosaku
1
有吉さんの文章は無駄がなくて読んでいて心地よい。2011/05/02
mcpekmaeda
0
普段の生活では垣間見ることが難しく、縁遠く感じるお茶や伝統芸能などの"和"の文化。そんな和の世界を著者は軽やかに、見聞きし、肩ひじをはらない形で描いている。読むことを通じて、少し疑似体験ができた様な気がした。 2017/06/28
遠い日
0
060407【読書ノート/ひとことメモ】しっとりとしたことばが美しい。匂い立つ。2006/04/07