内容説明
甲骨文・金文の地道な研究から生まれた驚くべき解明。
目次
漢字
漢字百話
漢字雑識(訓詁に於ける思惟の形式について;中国における古代文字学;呉大澂の文字学)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
傘緑
42
『漢字』のみ読む。「神話の時代には、神話が現実の根拠であり、現実の秩序を支える原理であった…神話はこのようにしてつねに現実と重なり合うゆえに、そこに時間がなかった…王が現実の秩序者としての地位を占めるようになると…文字が生まれた。そしてまたそこから、歴史がはじまる…文字は、神話と歴史との接点に立つ」私は白川静という存在を学者というより、『蟲師』第一話や五十嵐大介の漫画に描かれるような、古代世界を幻視した呪者として認識している。「漢字は原始より現代に至るまでを一貫して生きつづけてきた、唯一の文字体系である」2017/02/09
大臣ぐサン
1
ついに知の巨人白川静に挑む。「読書を愛するものにとって、いくらかの知的開拓や緊張を伴わぬ読書は、読書というに価しない。」しびれるなぁ。白川先生の文章は難解な部分も多いけど、こういう心にガツンと来るフレーズがところどころにちりばめられてる。美しく、厳格な文章。当用漢字、常用漢字についての話は共感しかない。でも、漢字の衰退、文化の衰退はもはや止めることはできない。あわよくばできるだけ多くの方に白川静を読んでいただきたい。そして共感者だけでも文化を守り発展させるべく戦っていかなければ。2023/10/04