双葉文庫<br> 活動写真の女

双葉文庫
活動写真の女

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  • サイズ 文庫判/ページ数 322p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784575507195
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

京大生になったばかりの“僕”は、町に馴染めず友人もできずにいた。そんなある日、古びた映画館で清家に出会い、彼のつてで撮影所のアルバイトを始める。そこで彼は美しい女に心奪われる。だが彼女は30年も前に自殺した大部屋女優であった。清冽な叙情と、たおやかな文章で綴る、初の長編恋愛小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ミッフー

98
浅田氏の作品はザックリ三つのタイプに分類される。涙と笑いのドタバタコメディ、壮大な歴史を背景とした立身伝、匂うほどの叙情的ノスタルジー🤔この小説はまさに最後のタイプ✨京都舞台にした活動写真と言われた映画が次第にテレビに侵食されていく時代を、京大生である主人公の目を通して見届けていく世界。成仏出来ぬ数十年前の脇役美人女優、彼女に全てを捧げた医学部の友人、そして主人公と下宿先輩との恋💗まさに京都で学生時代過ごした僕の青春とオーバーラップ🤣昔初めて付き合った娘とデートした永観堂の紅葉は本当綺麗だったな😊2020/01/30

ぽろん

38
亡くなったはずの昔の脇役女優が、京大生の主人公達の前に現れて、、。現代版、牡丹灯籠かと思いきや、そうでもない。抒情的で美しくもあり、往年のスターの顔も思い出せるぎりぎりの年齢の自分にも、感傷に浸ってしまった。2020/02/07

さち

18
京大、京都という所への違和感は、東京から逃れて残る学生運動なのか、この文化なのか…誰にも心許せない中、京大入学した三谷薫。唯一映画を語り合い息を吹き返せたのは医学生清家に出会ったから。それはあいつも同じだった。夕霞という美しい謎の女性に会うまでは…この小説はなんて贅沢なんだろう。研ぎ澄まされ、ちりばめられた言葉の数々がとたんに歴史香る美しい京都に、カツドウ屋たちが熱くうごめく映画作りの場に、揺れ動く学生達の心の奥に、冷ややかなこの世でないもの達の世界へ、からめとり連れていってくれる。ため息ものだ。 2020/05/21

ひじき

13
作者お得意の幽霊話が、東京から京大に入学した映画好きの「僕」の青春グラフィティにのせて甘酸っぱく仕上がっている。主人公たちの青春は非常にリアルで共感する部分も多かった。京都の独特な空気にまだ馴染めないでいる「僕」に医学部の新しい友は言う。「だが、君は変化する。京都の町が、君を自然淘汰するんだ」。この作者は物語の語り方がうまい人だと思っていたけれど、それは彼の豊かな感受性の故なのかもしれない。映画と京都の持つ人間を呑みこんでしまうようなじめっとした怖さを否定することなく、あったかい物語に描いていると思った。2014/06/09

unya

6
日本のある時代を描写しているこんな話をもっと描き残して欲しい。2018/08/05

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