内容説明
アメリカ側検事が、人種差別にもとづくナチの残虐行為について被告人を裁判にかけるいっぽう、裁判所のそとでは、白人アメリカ兵が黒人兵を差別し、けんか騒ぎを起こした。周辺でこうした出来事が演じられるなか、中央の舞台で繰り広げられたドラマこそ、ニュルンベルク裁判だった。さまざまに交錯した人間ドラマが残した教訓は何なのか、この経験は現代の戦争犯罪をあつかうに足るだけの基盤をもっているのだろうか…。法廷という舞台に役者はそろい、判決は下される。軍事法廷に関わった人間たちの悲喜劇、葛藤、絶望、困惑。
目次
第2章 暴かれる罪状(2)
第3章 敗者たちの抵抗
第4章 判決の日
エピローグ 時の審判
補遺 ゲーリングの自殺
著者等紹介
パーシコ,ジョゼフ・E.[パーシコ,ジョゼフE.][Persico,Joseph E.]
伝記作家、歴史家
白幡憲之[シラハタノリユキ]
1959年横浜生まれ。慶応義塾大学文学部卒業
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感想・レビュー
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扉のこちら側
27
初読。ニュルンベルク軍事裁判は1945〜46年にかけて行われた、史上初めての国際軍事裁判で、ナチスドイツの主要戦犯が連合国により裁かれた。人種差別に基づく残虐行為についての裁判の一方、裁判所の外では白人米兵が黒人兵を差別。周辺でのこうした出来事の中、繰り広げられたドラマ。様々に交錯した人間ドラマが残した教訓は何なのか。この経験は現代の戦争犯罪を扱うに足るだけの基盤となったのだろうか。2012/12/29
Kitinotomodati
2
この作品を読んだ感想が新たなうちに、「東京裁判」について書かれた本を読みたいものだ。2020/01/29
かめのこ
2
ナチについて考える時の私のひとつの指標が、お前ならどうする?なのだけど、これはナチも完全な冷酷非道ではなく人間の面を持つということでとてもしんどかった。私はヒトラーは勿論、ゲーリングやヘスにはならないだろうけども、当時全く同じ状況に置かれたら、カイテルやデーニッツにはなり得たかもしれない、そう少しでも自分に疑い得るところを見つけてしまう。2015/12/17