内容説明
長崎から世界へ平和を訴え続けたひとりの医師がいた。被爆し病床にあっても常に夢と愛の心を失わず、戦後の日本人に感動と生きる希望を与えた永井隆博士の生涯をたどる伝記。
目次
第1章 学生時代(難産の末に生まれた子;父と母 ほか)
第2章 医学者として(物理的療法科;手編みのジャケット ほか)
第3章 原子爆弾を受けて(子どもたちの疎開;別れの日 ほか)
第4章 如己堂にて(如己堂;天国行きの切符 ほか)
著者等紹介
中井俊已[ナカイトシミ]
1959年鳥取県生まれ。長崎大学教育学部卒業後、小・中学校に23年間勤務。現在、作家・教育コンサルタントとして執筆・講演活動をおこなっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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pino
163
『長崎の鐘』などの本を残した永井隆博士の43年の生涯を振り返る一冊。児童書なので、文字も大きくルビも振ってあり読みやすい。喘息、白血病に苦しみながら、多くの患者を診察し研究に明け暮れる毎日。周囲の心配にもユーモアで答える永井氏。支えた奥様も偉大だ。原爆が投下され、唯一つ残った奥様のロザリオが悲しい。永井氏は、病状の悪化後も如己堂で執筆を続ける。得たお金で図書室「うちらの本箱」を設立。病人でも生かされている意味があると、命尽きるまで、腕が動く限り愛と平和の尊さを書いた。思想、宗教、国に関わらず読んで欲しい。2013/08/02
かおりんご
41
児童書。たまたま図書館に予約をしていた永井博士の本を取りに行ったら、見つけた一冊。永井博士の一生が、とても分かりやすいです。今回の長崎の旅では、永井博士まで手が回らなかったので、今度は是非如己堂に行きたいなと思いました。2016/08/25
Shoko
27
学校図書室本。長年にわたり、「長崎の鐘」を読みたいと思いながら未だ読めていないところ、長男 借り本の中に見つけて、思わず手に取った。まず永井隆氏が三刀屋町出身だということに驚いた。大学から長崎に居を定めた。カトリックに入信し、奥さんと結婚。貧しい人は無料で診療し、自らが喘息に苦しむ折でも患者を優先し、往診の帰りに行き倒れるなど、医者としても人としても非常に立派な人物だったと知る。原爆投下後は生き残った者、しかも放射線医学の専門医師として記録を残さねばならないと、病いを押して鉛筆をとった。2019/08/04
ごへいもち
25
永井博士の著書を読んでみたものの学術的過ぎて読めなかったので易しいこちらを。凄まじい使命感、パワーに圧倒された。合掌2021/03/25
どら母 学校図書館を考える
24
勤務先で。 朝ドラにもうすぐ、「長崎の鐘」が出てくるだろうに、あまりにも知らないと思って。 私はキリスト教ではないが、宗教を芯に持つ強さを改めて感じる。2020/10/01